見出し画像

官製ファクトチェックは危険か?

◉こんなシンポジウムが、開かれるようです。

【緊急シンポジウム 「『官製ファクトチェック』の出現を危惧する」】InFact

総務省が設置した「デジタル空間における情報流通の健全性確保に関する検討会」はこのたびとりまとめ案を公表しましたが、その中で、ファクトチェックに偽・誤情報の検証を担わせる内容が盛り込まれています。

しかし、これは政府がファクトチェックの方向性を左右するいわゆる「官製ファクトチェック」の出現につながりかねない危険な要素をはらんでいます。 ファクトチェックはジャーナリズムの一環であり、高い独立性が求められます。仮に「官製ファクトチェック」との懸念をもたれれば、日本のファクトチェックは日本社会はもとより世界からも信用を失いかねません。このとりまとめ案は8月20日までパブリックコメントを募っており、今、極めて重要な時期となっています(パブリックコメントのリンクはこちらです。)。

このため、メディアの在り方、ファクトチェックの在り方に強い関心を持つジャーナリスト、研究者が集まって、この問題を議論します。 主催はInFact。無料です。多くの方の参加をお待ちしています。

【日時】8月12日(祝・月)10:00〜(2時間程度)
【形式】オンライン・ウェビナー方式  無料

https://infact.press/news/news-23653/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、メイプル楓さんのイラストです。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉



■民間FCが機能不全■

詳しくは、上記リンク先の全文を、ぜひお読みいただくとして。「政府がファクトチェックの方向性を左右する」と語っていますが、そんな強制性が一体どこにあるのでしょうか? 別に民間のファクトチェックに介入するわけでもありませんし、民間は民間で・政府は政府で、ファクトチェックすればいいだけの話ですよね。なぜこんなことを言い出したかを、プロファイリングするならば。民間のファクトチェックがまさに、「ファクトチェックの方向性を左右する」ことをやってきたから、語るに落ちているんですよね。

具体的には、同業者であるマスコミに対するファクトチェックは行わない、という態度。日本ファクトチェックセンターなどは、その方針を明言していますが。でも現実には、朝日・毎日・読売・産経など、全国紙のX(旧Twitter)公式アカウントが、コミュニティノートを付けられ、そのデタラメぶりが、白日のもとにさらされているわけです。コミュニティ ノートが間違いであるならば、それを ファクトチェックすればいいだけの話なのですが。そちらの再検証からも、逃げているわけで。

■CN砲のほうが健全■

現実問題として、日本ファクトチェックセンターのファクトチェックよりも、コミュニティノート(CN)の方が迅速で、内容も充実しており、中立的であることが多いですね。なのに、CNをつけられて怒り狂う人たちは左右問わず、バカの一つ覚えのように「CNは匿名なので信用できない」と言います。これも論点 逸らしの詭弁であり、「このCNの、この部分が誤りであり、エビデンス はこれである」と示せばいいのに、内容に対する反論ができないので、そういう 論点逸らしをしているのが、見える人には見えちゃう。

そもそもCNは、日頃は意見の異なるクラスタの、両方から評価されないと、一般ユーザーへの公開には、至りません。つまり、数を頼んでの力押しが効力を発揮しない、アルゴリズムになっているわけです。どうも批判する人は、このシステムを誤解しているようです。つまり、お仲間からも「オマエの言ってることは間違ってるよ」と、ダメ出しされないと公開に至らないわけです。ある意味で、匿名の内部告発システムにもなっている訳ですね。

例えば、立憲民主党の原口一博議員は、世界的にもCNが数多くついている、被弾アカウントなのですが。アンチ立憲民主党のクラスタや、自民党応援クラスタが、いくらCNの素案に対して評価しても、それだけでは公開に至らない。立憲民主党に好意的なクラスタが、「さすがにこのポストは間違っている、CNの方が正しい」と評価されて、初めて公開に至るわけです。また公開されても、内容に疑義が付き、その指示数が一定数になればば、公開が取り消しにもなります。双方向性の、実に民主的なシステムでしょう。

■FCの方向性を左右■

これに対して、新聞・テレビ・ラジオ・雑誌などの旧メディアは、情報の流通経路を一方的に 握り、自分たちの恣意的な正義を、垂れ流してきたわけで。まさに一方通行のメディア。今回の「ファクトチェックの方向性を左右する」云々の発言も、自分たちの独占専売に介入してくるな、という選民意識の表れ。でもそれ、ヤクザの「うちのシマを荒らしやがって」と、何が違うのでしょうか? そのような旧メディアの傲慢さに対する反発が、具体的な数値で可視化されるのも、SNSの良いところ。例えば、こちらのポストがそうですね。

突然ですが、このような緊急シンポジウムにパネリストとして登壇することになりました。

緊急シンポジウム 「『官製ファクトチェック』の出現を危惧する」 | InFact / インファクト

https://x.com/YyYySinger/status/1818595343237628059

46.8万閲覧・170イイネ・イイネ率0.03% ハッキリ言って、大炎上です。リプライも引用ポストも、民間FCに対する不信感と、疑義が山盛りです。この方、プロフィールを見ると九条の会のメンバーようですが。例えば九条九条と連呼する、福島瑞穂社民党党首が、未だにALPS処理済み水を汚染水呼ばわりすることや、韓国の野党と連帯して海洋放出を批判したり、あきたこまちRに対する非科学的な言説を繰り返すことについて、なぜファクトチェックが入らないのか? おそらくこのシンポジウムでは言及されないでしょう。

そういう恣意的な態度が、一般大衆の不信感を呼んでいるわけです。

■官製FCの問題とは■

現実問題として、ペケッターの首相官邸公式アカウントや、岸田文雄総理公式アカウントなど、積極的に情報発信をしていますが。CN砲が炸裂したという話は、寡聞にして知りません。逆に毎日新聞や東京新聞などは、またかと思うぐらいには、CN砲が付いたポストを目にしています。前述した原口議員などは多すぎて、もう話題にすらなっていません。また情報の内容も、首相官邸公式アカウントや総理公式アカウントの方が、重要かつ有用なものが多いです。はっきり言えば、マスコミよりも 政府の広報の方が、信用できる状態です。

はっきり言えばこれ、マスコミの側の責任ですよね。見出しで誘導したり、内容をトリミングしたりで、すでに一部の大衆の信用を失っている。まず、この点を逃げずに認めるべきでしょう。暇空茜氏が住民監査請求を通したり、国家賠償訴訟で勝訴しても報じないのに、後出しジャンケンのような言い分の訴訟で敗訴すると、報じる。住民監査請求や国家賠償訴訟だと、起こしただけで報じることも多々あるのに。そういう恣意性・党派性が、大衆の信用を失った原因です。事実を・是々非々で・淡々と報じる、それが信用回復への第一歩。

政府が嘘をついたり、誤情報を流す可能性は常にあります。しかし、それこそマスコミ的には、待っていましたと舌舐めずりする案件では? ほ〜ら政府はやっぱり 信用できない、と喧伝するチャンスじゃないですか。なのに、官製FCを行うこと自体を止めようとする。CN砲と同様に、旧メディアの痛いところを突かれて、斜陽産業化がますます加速することを、恐れていませんか? 

■自意識過剰な文言■

そういう旧メディアの焦りが、ダダ漏れになっているのが、「仮に「官製ファクトチェック」との懸念をもたれれば、日本のファクトチェックは日本社会はもとより世界からも信用を失いかねません。」という部分かと。世界とは、大きく出たものですね。この自分も プロファイリングするならば、日本の民間FCが世界から信用を得ていることを前提にしなければ、こんな表現は出てきませんよね? しかし、日本の民間FCがいつ、世界で評価されたのでしょうか? 話題にさえなっていないのに、自意識過剰過ぎませんか?

民間FC団体の日本ファクトチェックセンター自体が既に、恣意的ファクトチェックとの懸念をもたれ、日本のファクトチェックは日本社会では信用を失いかけているという、現実を見た方がよくありませんか? 国内ですら予選敗退しているのに「五輪で金メダルが取れなかったらどうしよう……」と悩むスポーツ選手みたいですね。自意識過剰にも程があります。まだ始まってもいない官製FCに文句をつける前に、日本の民間FCは健全なのか、そこから自問自答すべきでは?

一方方向の旧メディアは、相互批判もアメリカやイギリスのマスコミほど盛んではなく。右も左もぬるま湯の中で、独占販売の我が世を謳歌してきたわけですが。インターネットの出現・SNSの発達・スマートフォンの普及によって、そこが一気に瓦解して。でも、マスコミに対する批判はそれこそ、昭和の時代から同じことが言われてたのですから。ずっと無視してきた事柄の、対応を迫られて慌てているようにしか見えませんね。このシンポジウムも、政府は信用できないの一点張りで、マスコミは信用できるかという、根本的な問いからは逃げるでしょう。


◉…▲▼▲インフォメーション▲▼▲…◉

noteの内容が気に入った方は、サポートで投げ銭をお願いします。あるいは、下記リンクの拙著などをお買い上げくださいませ。そのお気持ちが、note執筆の励みになります。

MANZEMI電子書籍版: 表現技術解説書

MANZEMI名作映画解題講座『ローマの休日』編

MANZEMI文章表現講座① ニュアンスを伝える・感じる・創る

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ