台湾総統選:民進党の頼清徳氏が当選
◉与党・民進党の頼清徳副総統が当選し、これで、2016年の蔡英文総統の当選から、3期連続の民進党の勝利。2028年までは、民進党政権が確定です。このnoteを書いている時点での得票は、民進党の頼清徳氏が557万票、最大野党・国民党の侯友宜候補が466万票、第三勢力・台湾民衆党の柯文哲候補が368万票です。91万票は接戦ですね。そして、第三の候補である柯文哲候補がかなりの健闘。ここらへん、台湾国民の複雑な気持ちを反映してるようで、単純に民進党が勝ったと喜べません。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、台湾のランタンです。
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■蔡英文路線の継承■
頼清徳新総統は、名門台湾大学リハビリ学科を卒業し、指定国立研究大学のひとつである成功大学医学科を卒業した内科医で、ハーバード大学で公衆衛生分野の修士号を取得した衛生学者でもあるという、華麗な経歴ですねぇ。李登輝元総統もそうですが、理系の政治家って、ツボにはまれば理知的で合理的で、有能なんですが。ただ日本では菅直人元総理という、最低最悪な理系総理大臣の実例がありますから。蔡英文総統の路線継承で、台湾独立派の路線を継承ということで。
一方、柯文哲候補も外科医なんですよね。かなり頭が良い人物なのですが、どうにも失言や暴言も多く、エリートゆえの見下しとか、問題があるようで。国民党との、野党候補一本化も上手く行かず。一時は、人気は1位だった時もあり、急速に失速したようです。もし一本化に成功していたら、単純計算で侯友宜候補が勝利した可能性も。その意味で、一本化できなかったのは、民進党には僥倖でしたが。馬英九元総統の失言も、追い風になりました。
■柯文哲候補の存在■
頼清徳新総統は、親米政権かつ親日派なので、そこは日本としてはありがたいのですが。ただ、今回の3候補とも本音的には現状維持、1つの中国なのか2つの中国なのか、立場を曖昧にして経済的な反映が手にしたい。なんのことはない、アメリカが押し付けた憲法9条を上手く利用して、アメリカの核の傘の下で経済的な繁栄を謳歌した、戦後の日本と似た部分があるんですよね。吉田ドクトリンは、時代的な苦肉の策というか、誤魔化しだったんですが。そこは台湾も似ているようで。
中国通の安田峰俊先生は、柯文哲候補と民衆党に、ポピュリズムと厳しい評価のようですね。野党候補一本化に協力しなかったのも、ちょっとしたたかな計算の上で、蹴ったのか? 旗幟鮮明にせず曖昧なポジションで漁夫の利を得て、キャスティングボードを握る戦略だったのか。解りませんね。日本の政治家だと、明確なビジョンもないのに、人気は集めて権力を握る、小池百合子東京都知事タイプ……なんですかね? ここらへんは、台湾民衆の空気感とか、経験が無いので難しいのですが。
■米大統領選の行方■
検索したら、安田先生の記事がありました。どうも、記事を読むと山本太郎氏のれいわ新選組に近い感じですかね? 民衆党自体が、柯文哲候補の個人政党という感じで、組織としては人材不足で脆弱。「日本人向けにわかりやすく言えば、社民党とれいわ新選組と次世代の党、みんなの党、国民新党……あたりの左右の小政党の元議員で返り咲きの夢を捨てられない人や、柯文哲の市長時代の元部下が強引に集められた形だ。」というのは、イメージが湧きますね。
今年は、アメリカの大統領選挙も控えています。このままで行くと、共和党はトランプ前大統領が候補になり、一期置いての大統領復活の可能性が、高いです。そうなると、モンロー主義でアメリカ・ファーストの共和党候補としては、ウクライナの支援を打ち切り、イスラエル支援に注力する可能性もあり。日本的には、ロシア連邦の弱体化こそ、国益。もし安倍晋三元総理が存命なら、説得の使者に立つこともあったでしょうけれど。ちょっとトランプ大統領誕生なら、暴走を止める人がおらず。
情報が出揃ったら、改めて書きます。まずは速報ということで。
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