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うなぎのタレだけご飯

◉昭和恐慌の昔、阪急百貨店うめだ本店にソーライスという裏メニューがあったのですが。ライスだけ注文し、備え付けのウスターソースをかけ回して食べる客がいたという、いかにも大阪なエピソードなんですが。現在、阪神グループは阪急グループに吸収されていますから、阪神梅田本店で鰻のタレだけご飯が出るのは、なんだか象徴的ですね。

【“うなぎのタレだけ”でごはんがすすむ 百貨店でうなぎのないタレだけ弁当を販売】ねとらぼ

 阪神梅田本店では土用の丑の日向けに、うなぎのタレが楽しめる「うなぎのないうなぎのたれごはん弁当」を販売する。

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2307/01/news064.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、ひつまぶしの写真です。

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ちなみに、阪急百貨店うめだ本店の食堂は、このライスだけの客を締め出そうとしたのですが。阪急グループの小林一三社長は、この客を歓迎したとか。そういう客が、不況が去ってからはチップを置いていったりして、未来の客を育てたと。小林一三の経営戦略は、東急グループや西武グループも真似したほど、先進的でしたが。後発が銭儲けの面ばかり真似したのに対して、小林は宝塚歌劇団にしろ阪急ブレーブスにしろ、文化を育てるという観点が、根本にあったように思います。

ところで、ウナギに関しては、「鰻のタレだけあればいい」という人がいますが。鰻のタレって基本、鰻の骨や頭から、出汁をとらないと美味しくならないんですが。醤油や味醂を混ぜ合わせれば、あのタレになると思いこんでいる人がいますね。鰻屋の秘伝のタレも、タレに蒲焼の身を漬け込むことで、ウナギのエキスがタレに溶け込んで、あのなんとも言えない風味になるわけで。これは、寿司の穴子のタレにしてもそうです。ウナギが絶滅したら、鰻のタレも絶滅します。まぁ、人工的に似た味は再現できるでしょうけれど。

今年も、池袋の専門店でウナギを食いたいですね。乱獲につながる、コンビニのウナギ弁当は食いません。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

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