見出し画像

恐竜は小惑星衝突の1000万年前から衰退

◉恐竜は白亜紀の終わり約6604万年前に、メキシコのユカタン半島にチクシュルーブ・クレーターを作った隕石によって絶滅した……とする説が有名ですが。それ以前に、恐竜は衰退していたという新学説とのことですが。いやいや、この学説自体はずいぶん昔から言われていますけどね。そもそも種の発展や衰退を、どう定義するかという問題はあります。数が増えることなのか、大型化することなのか、種の多様化なのか。多様です。

【恐竜は小惑星衝突の1000万年前からすでに「衰退」 新研究】CNN

(CNN) 恐竜は今から6600万年前に小惑星の衝突により絶滅したとされるが、それまでは繁栄していたのか、あるいはすでに衰退していたのかが、古生物学者の間で長く議論の的になっている。
このほどネイチャー・コミュニケーションズ誌に掲載された論文では、小惑星衝突の1000万年前の時点で恐竜は衰退していたとする新たな研究結果を発表。この衰退のために、衝突後も種としての勢いを回復することができなかったとしている。

◉…▲▼▲▽△▽▲▼▲▽△▽▲▼▲…◉

■進化の法則としての数と大きさ■

例えば、数や量。南極海にいるナンキョクオキアミとか、ものすごい生物量で、およそ5億トンと推定されます。ナンキョクオキアミだけでこれですから、他の種のオキアミや、それこそ甲殻類という広いくくりなら、エビやカニやヤドカリの仲間など、世界中で膨大な数と種類が存在しますね。それは、イカやタコのような頭足類の仲間もそうですが。人類なんて、そういう意味では大繁栄しているように見えながらも、それはかなり主観的なものでしかないです。

例えば、動物というのは繁栄すると大型種が出現する、という傾向があります。馬とかカバとか森林の中にいた頃は小型なのに、草原に出ると大型化していますしね。これはサイの仲間のパラケラテリウムなどがそうで、その繁栄のピークをすぎると、小型化します。サイ自体がそういう意味では、黄昏に向かいつつある生物です。ゾウにしてもナマケモノにしてもアルマジロにしても、古代の化石種のほうが現在のものよりも大型ですからね。

■多様性とは何か?■

哺乳類に限らず、例えばウミサソリなどでは体長が2メートルとかの種がいますし、かつての海の王者であったアノマロカリスとかも、数十センチのものから推定で2メートルの種もいたようですし。魚類だと板皮類のダンケルオステウスは10メートルもありますしね。では、種の多様性は? ある時期、環境に適応した数が増えた種は、次に分化が起きていろんな種が生まれ、その中で大型化が起きます。そしていろんな環境に適応して、小型や中型の生物が多種多様に増えていく傾向があります。これも種の生き残り戦略。

恐竜の場合、大型化自体は一概に言えなくて、たとえば雷竜と呼ばれる大型の種の一群は、ジュラ紀に大繁栄してるんですよね。ディプロドクス科やブラキオサウルス科とか。でも、白亜紀に入ると衰退傾向。もっとも、南米ではティタノサウルス系が白亜紀に大繁栄していますけどね。また、肉食恐竜に関しては、白亜紀のティラノサウルスとかが最大種ですから。事程左様に、恐竜自体の繁栄の定義は難しいですね。一概には言えないです。

■恐竜は絶滅せず■

ただ、ハッキリしているのは、大型種は確かにユカタン半島への隕石墜落以降、大激減したということ。でも、恐竜=巨大という考え方がそもそも間違いで、大型種は化石が残りやすく発見されやすいと言うだけで、多くの恐竜はウサギから中型犬ぐらいが主流で、数も多かったとされます。で、恐竜はアンモナイトのように絶滅せず、一部が生き残って鳥類となり、これは世界中で大繁栄しています。そういう意味では、ますます衰退ってなんだという噺です。

鳥類は恐竜の進化した姿と言うより、恐竜の一部。そもそも鳥類は、恐竜絶滅後の世界では恐鳥類が出現して、生態系の頂点に君臨します。ガストルニス、フォルスラコスなどが有名ですが、体長も3メートルと、恐竜ほどではないにしても、現代のダチョウやヒクイドリと比較しても、巨大ですしね。そう考えると、鳥類って空という新しいニッチを開拓したわけで。一部にはペンギンのように懐中生活に特化したものもいますし。人類が絶滅した後も、しぶとく生き残っていそうですね。

どっとはらい( ´ ▽ ` )ノ

売文業者に投げ銭をしてみたい方は、ぜひどうぞ( ´ ▽ ` )ノ