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米ペロシ下院議長が蔡英文総統と会談

◉日本のマスコミはあまり積極的に報じていない印象ですが、これは歴史的な瞬間だと思うんですよね。バイデン政権は一貫して中国による台湾有事に対して警告をしており、これはロシア連邦軍によるウクライナ侵攻に対する警告も同じ。共和党のトランプ政権より民主党のバイデン政権がハト派で温和というのは、勘違いです。アメリカの歴史を見れば、ブッシュ親子を例外として、民主党政権が対外戦争を起こしているように、好戦的ですから。

【アメリカ ペロシ下院議長 台湾の蔡英文総統と会談【随時更新】】NHKニュース

アメリカのペロシ下院議長が2日夜、台湾に到着し一夜明けた3日、蔡英文総統と会談し、台湾との連帯を強調しました。
ペロシ議長は大統領権限を継承する順位が副大統領に次ぐ2位の要職で、アメリカの現職の下院議長が台湾を訪問するのは1997年のギングリッチ氏以来25年ぶりです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220803/k10013747261000.html

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、台湾の街角の風景です。台湾らしさと風情を兼ね備えた、素晴らしい写真ですね。

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■その時歴史が動いた■

思えば、安倍晋三元総理が故李登輝元総統死去から2年となる7月30日に合わせて台湾訪問を明言されていて、その直前の暗殺事件。そこに因果関係はないのかもしれませんが、とても象徴的な事件でした。元総理とは言え、一国会議員の安倍氏の訪台がなくなったら、アメリカ合衆国としては大統領・副大統領に次ぐ地位である下院議長の訪台という、習近平主席にとってはかえって危険な事態を招いてしまったわけで。ひょっとしたら自分たちは、歴史的瞬間に立ち会ってるのかもしれません。

それこそ、1923年(大正12年)8月17日の日英同盟の失効とか、1940年(昭和15年)9月27日に調印された日独伊三国同盟、1933年(昭和8年)2月24日の松岡洋右外務大臣による国際連盟総会での脱退宣言など、後の時代から見たら決定的に世界を変えたターニングポイントなんですが。当時の人に聞くと、それがまさかあんなことになるなんてという感じで。1941年(昭和16年)12月8日未明の真珠湾攻撃の一報とか、むしろスカッとしたという正直な感想が、多数残されています。

■戦後レジームの脱却■

それを言えば、インターネットの出現は、まさにメディアのあり方を変えて、人類にとんでもない影響を与えたのですが。パソコン黎明期からインターネットの出現に立ち会ってきた身からすると、これが世界を変えるなんて想像もできなかったですし、未だに実感が無いんですが。客観的に見れば、これで新聞とテレビ・ラジオの放送、そして出版さえも変えてしまったわけで。情報革命という意味では、電信の出現に匹敵する、大革命なんですが。

ペロシ会員議長による台湾訪問と、蔡英文総統との会談は、戦後の枠組みが変わる象徴です。第二次大戦後、世界は国連という戦勝国クラブが支配し、日本やドイツは敵国条項の中、敗戦国として悪の国認定がなされたわけです。韓国などは、戦犯国などと必要以上に貶めた表現をしていますが。でも、それは勝てば官軍の力の論理です。実際は、悪のナチス政権よりソ連のスターリンが正しかったかと言えば、そんなこともなく。

■戦勝国クラブの終焉■

ロシア連邦軍によるウクライナ侵攻によって、ソビエト連邦が崩壊してもソ連と何ら変わりがない、力の理論を見せつける国だというのが世界にバレてしまったわけで。それは、満州やシベリア抑留で地獄を見た人たちの、感想と何ら変わらないわけで。そして、戦勝国ではなかったけれど、国内で中華民国を倒して成立し、その正統を継承した中華人民共和国にしても、共産党一党独裁の全体主義国家であったのが、あからさまに見えているわけでして。

実際、中国側は台湾海峡に艦艇を出動させ、6か所の海域や空域で実弾射撃を伴う銀次演習を予告している状態。これって吉祥寺の米穀店に、イヤガラセの立ちんぼ行為を行った連中と、何ら変わることはないならず者国家であることを、示してしまったわけで。そして、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は外務省報道官の談話として「アメリカの破廉恥な内政干渉と、意図的な政治、軍事的挑発策動こそが、地域の平和と安全を害している」と批判したわけで。和田秀樹東大名誉教授が褒めそやした国が、全部ろくでもないことを証明。

■米中戦争はあるか?■

この動きの先にあるのは、アメリカによる台湾の国家承認。アメリカが動けば、日英などの西側陣営は、追随するでしょう。赤信号、みんなで渡れば怖くない。そうなったときに、中国は台湾に侵攻するのか? 自分はその可能性は低いと、そう思います。別に軍事に詳しくもない素人ですが、中華王朝というのは基本、戦争に強くないので。勝てる(とみなした)相手とだけ喧嘩する国ですから。自国とアメリカの戦力差を冷静に見て、口では批判して威嚇はしても、実力行使には出ないでしょう。

では、威嚇だけで終わるか? たぶん、韓国に対して指桑罵槐を仕掛け、日米韓の三角同盟に、くさびを打ち込もうとするでしょうね、たぶん。それは、ビルマの軍事政権とか、イランとかパキスタンとか、使えるカードは全部使って。中国は孫子を筆頭に呉子・尉繚子・六韜・三略・司馬法・李衛公問対の武侠七書があり、兵法が発達した国ですが。これは逆説的に、戦争に弱い証拠。実際、北方の遊牧民国家に、常に悩まされ戦争も負けていますしね。

■分断と対立に要注意■

その結果、兵法書が発達したわけで。逆に、戦争に強かった遊牧民族国家には、兵法書は必要なかったわけですから。仕えていたソデリーニ政権がハプスブルク家スペインの前に屈服した結果、ニッコロ・マキャヴェッリは『君主論』を書き。アウエルシュタットの戦いでの敗北がカール・フォン・クラウゼヴィッツに『戦争論』を書かせたように。敗北による自身の欠けてる点、弱点に気づかなければ、兵法書なんてわざわざ必要ないのですから。

中華の兵法では、夷を以て夷を制すがありますから。アメリカとは直接戦わず、それこそ韓国を焚き付けたり、ロシア連邦軍の支援とか、搦め手で対応してくるでしょう。そうなると、日本国内の親中派の動きとか、あるいは孔子学院関わりの大学や文化人とかマスコミの、怪しい動きが心配ではあります。そうやって、疑心暗鬼にさせるのが、兵法のひとつでもあるのですが。さて、どうなることか。いずれにしろ自分たちは、歴史的瞬間に立ち会ってるのかもしれません。

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