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次世代原子炉の動き

◉どうにも岸田内閣の原発政策が腰が重く、この冬は全国で電気料金が値上がりにようです。先の参院選で、原発再稼働の是非を、争点にしておけば……いや、昨年の衆院選でやっておくべきでした。でもまぁ、この国の国民は、未然に防がれた災害には無頓着なので。電気料金が嫌になるぐらい上がらないと、原発再稼働に同意しないので、岸田内閣もわざとやってる可能性もありますけどね。安倍内閣でも、ついに民主党政権の負の遺産である、原発停止を解除できませんでしたから、仕方がないのかもしれません。原発関連ネタを、いくつか。

【原発運転「60年超」可能に・次世代原発は廃炉建て替え時に活用…経産省、有識者会議に原案提示】読売新聞

 経済産業省は28日、原子力政策の方向性と行動計画の原案を、有識者会議「原子力小委員会」に示した。次世代原子力発電所の開発・建設は、廃炉が決まった原発の建て替えを対象とすると明記した。原発の運転期間の延長では、安全審査などで停止した期間を算入せず、事実上60年超の運転を認める。東日本大震災以来、新増設などを「想定していない」としてきた原子力政策を転換することになる。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221128-OYT1T50090/

ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、伊方原子力発電所のイラストだそうです。

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■来年を見越して今動くべき■

原発は、動かしだしてすぐに出力が上がるわけではなく、臨界に達するまで時間がかかり、更に出力が安定するには時間がかかるようで。だからこそ、停止するのにも時間がかかるんですが。なので、今から稼働してもこの冬の電力供給には間に合わないのですが。そもそも、10年以上も止まっているところもありますから、メンテナンスとかイロイロと必要でしょうし。本当は、原発再稼働を今からでも動いて、来年の夏の電力需要に備えるべきなんですけどね。ロシア連邦軍のウクライナ侵攻がどうなるか、現時点ではわかりませんが。それでも、備えておくのが大事かと。

岸田総理もいいかげん、ワイドショーの言説に振り回される政治は、辞めてほしいですけども。内閣支持率なんて、マスコミが騒げば代わりますからね。でも、大事なのは政党別支持率。ここが揺らがなければ、なんとかなりますからね。実際、昨年の衆議院選挙は、野党共闘とかマスコミの事前調査とかぶっ飛ばして、保守系政党が勝利。去年再稼働を公約しておけば、今年の冬には間に合ったのですが。自分は、この冬は毛布の枚数を増やして、乗り切る予定ですけどね。

■カナダで小型モジュール炉■

日本はこの10年以上の原発停止で、技術的な継承さえ難しくなっている部分もあるようです。やっぱり、稼働させて運用してこそ、得られるノウハウはありますからね。また、現状では新規の原子炉開発も生産も、かなり難しい状況。とはいえ、国内がダメなら国外へと言うことで、こんな動きもあります。カナダのオンタリオ州で、安全性が高い次世代の原子炉である第四世代原子炉の、小型モジュール炉(Small Modular Reactor)の開発に、参画するようで。カナダというと、水力発電とか豊富なイメージなんですが、やはり寒いのでそうでもないんですかね?

【日本勢参画次世代小型原発「SMR」プロ本格化、商用化へ実績積み上げたい企業たち】ニュースイッチ

 日本勢が参画する次世代小型原発プロジェクトが海外で本格化する。日立製作所が出資する米GE日立・ニュークリアエナジー(GEH)が参画するカナダ・オンタリオ州の原発で、同国政府系銀行が小型モジュール炉(SMR)建設に約1000億円(9億7000万カナダドル)の投資を決めた。米国とウクライナによるSMRから水素とアンモニアを生産する実証プロジェクトにはIHIや日揮ホールディングス(HD)が参画する。脱炭素やエネルギー安全保障をめぐり次世代原発の重要性が世界的に高まる。

https://newswitch.jp/p/34681

水素とアンモニア、これ重要です。何度か書いていますが、例え核融合エネルギーが実現しても、相変わらず水力・火力・原子力は大きな発電源として、棲み分けると思うのですよ。で、重要なのはアンモニア。可燃性は低いですが、紀元前から人類が扱ってきたので、ノウハウが蓄積されていますから。火力発電と併せて燃焼する技術が、研究中。NH3で、水素キャリアーとしても有能。これからは水素と、TOYOTAも力を入れていますし。高温ガス炉での石炭液化と水素生成は、自分もかなり期待していますので。

■さらにガーナでも日米提携■

さらに、こんな話題も。日本とアメリカが、ガーナで小型モジュール炉を導入するガーナで、提携するそうです。原子力研究の最先端はアメリカにあるのは、疑いないわけで。アメリカとイギリスは、2029年には小型モジュール炉の一種である高温ガス炉の、商用炉の稼働を目指しています。昨年は中国が、商用実証炉の臨界に達し、世界は完全に第四世代炉にシフトしつつあります。反原発派は、技術が永遠に変わらないとでも思ってるようですが。ンなことあるわけないんですよね。安全性の高い第四世代原子炉の研究は、複数進んでいます。

【日米両国、小型モジュール式原子炉の導入でガーナと提携】ジェトロ

 米国国務省は10月26日、ガーナが小型モジュール式原子炉(SMR)の導入でアフリカの牽引役となることを支援するため、日米両国がガーナと提携したと発表した。
 首都ワシントンで開催中の国際原子力機関(IAEA)原子力閣僚会議において、米国国務省のボニー・ジェンキンス国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)および米国エネルギー省のキャサリン・ハフ原子力担当次官補、ガーナ・エネルギー省のウィリアム・オウラック・エイドゥ副大臣、日本の太田房江経済産業副大臣が、ガーナの原子力計画における技術中立の状態を考慮して、ガーナへのSMR技術の導入を支援することを決定した。ガーナにおけるSMR導入支援のための協力は、ガーナの原子力規制と米国の輸出規制を前提としており、3カ国は、原子力安全、セキュリティーおよび核不拡散の最高基準を維持することを約束している。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/10/4225dfc94d0507f9.html

小型モジュール炉というのは、第四世代原子炉の、ひとつの形式ですから。第三世代原子炉は、一基ずつカスタムで作る部分がありますが、小型モジュール炉は機能ごとにパーツに分けて製造し、現地で組み立てるツーバイフォー工法みたいなものですからね。効率も良くなりますし。その中の一種である高温ガス炉は、メルトダウンしづらい構造ですから、反原発派の彼岸である東京に原発をも、実現できます(皮肉ですよモチロン)。日本もこの流れに送れず、2029年の高温ガス炉の商用稼働、期待したいです。

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