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六代目三遊亭円楽師匠死去

◉ああ、ついに三遊亭円楽師匠が……。8月には復帰の講座を果たし、安心していたのですが。報道では、肺炎でという表記と肺癌でという表記が入り乱れているようですが、たぶん肺炎が悪化されたのでしょう。肺癌を患われていたので、軽い肺炎でも致命傷になってしまったのでしょうか。「歳を取るのも芸能の内」と言われる落語界にあって、72歳はまだまだ若いですね。近年は、肺癌や大腸癌に加えて脳梗塞と、闘病が続きましたが。自分が見知った笑点メンバーも、林家木久扇師匠だけになってしまいましたね。

【落語家の三遊亭円楽さん死去 演芸番組などで長年活躍 72歳】NHKニュース

テレビの演芸番組などで長年活躍した人気落語家の三遊亭円楽さんが30日、肺がんのため亡くなりました。72歳でした。
三遊亭円楽さんは、1950年に東京で生まれ、青山学院大学在学中に五代目三遊亭円楽さんのもとに入門し、「楽太郎」を名乗って落語家の道に進みました。
早くから話芸が高く評価され、27歳の時に民放の演芸番組「笑点」のメンバーに抜てきされると、毒舌のキャラクターで親しまれ、中でも桂歌丸さんとの掛け合いは長年にわたり番組の名物となりました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220930/k10013843931000.html

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ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、寄席の写真です。

■六代目円楽師の思い出■

どうしても圓楽というと五代目の印象が強く、六代目は楽太郎という前名のほうがしっくり来るのですが。青山学院大学の先輩でもあり、後輩の落研を見に来たのか、キャンパス内でお見かけしたことがありました。もっともその時は瀬古利彦さんに似た人だなと思って、よく見たら円楽師匠だったという感じです。というか、あれは本当に円楽師匠だったのか? 円楽師匠や瀬古利彦さんに似た人、あるいは実は大学の陸上部に呼ばれてきた瀬古利彦さん本人だったのか? 今でも謎です。

落語協会から分立した円楽党に於いては、五代目円楽師匠の懐刀と言うかブレーンというか、かなり頼りにされていましたし。実際、切れ者でアイデアマンでしたしね。博多・天神落語まつりやさっぽろ落語まつりのプロデュースなど、新しい仕事を作っていくスタイルで、ある意味で五代目亡き後の円楽一門を牽引しておられました。六代目圓生襲名の話とかも、どんどん仕掛けていましたし。そうやって、一般誌にも掲載されるような話題提供をするのって、呼び屋として大事。まぁ、不倫報道は勇み足ですが、二枚目でモテるのは芸人としては悪いことでもないですし。

■伊集院光さんとの師弟関係■

自分が小学生の頃に笑点メンバーに入り、当時人気だったマラソンの瀬古利彦サンに似てるということで、モノマネで売り出した方でしたし、自分の中では正直……あまり評価は高くありませんでした。でも、弟子の伊集院光さんの番組で度々、円楽師匠に教わった落語の表現論とか考え方が、実に素晴らしくシックリくるというか。編集者という商売になって、作話という点でも参考になるんですよね。伊集院さんという名解説役のおかげで、円楽師匠の凄さをようやく理解できた部分は、確かにあります。

【伊集院光、落語家時代の師匠三遊亭円楽さん悼む「拾っていただき、人間にしてもらいました」】日刊スポーツ

17歳の時に、学校にも行かずふらふらしていた時分に、師匠に拾っていただき、人間にしてもらいました。その後、僕は古典落語の道を諦め、紆余曲折あったものの「お前が俺を尊敬してるうちは弟子を名乗ったらいいさ」と温かい言葉をいただき、師弟関係を続けさせていただきました。

ここ数年は、円楽伊集院光二人会を開催するなど、夢のような時間を過ごすことができました。「回復したら博多と札幌でまたやろうぜ」と約束していたのに、この文章を大人としてきちんとした定番の追悼の言葉でしめるべきなのでしょうが、まだ頭の中が整理できず、まとめることができません。もう少し心の中で師匠と会話をしてから、いろいろ話させてください。        伊集院光

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202209300000941.html

「お前が俺を尊敬してるうちは弟子を名乗ったらいいさ」
粋な言葉ですね。伊集院さんの番組には、若い頃には怖い師匠として出演されることも多く。伊集院さんが上半身裸でブラジャーを付けてトークするという回では、シークレットゲストとして登場。直前までゲストを知らされず、目隠しされていた伊集院さんが、本気で焦る姿が、本当に面白くて。録音してたカセットテープ、聞けなくなるまで繰り返し聞いたもんです。近年は、『伊集院光とらじおと』に出演され、成熟した師弟関係のトークが実に心地よく。それだけに残念です。師匠のファンを公言されていましたし。

■笑点での名悪役ヒールぶり■

笑点の司会者も、初代立川談志・二代目前田武彦・三代目三波伸介・四代目三遊亭円楽・五代目桂歌丸と移り変わり。メンバーも多くが鬼籍に入りました。自分は三波伸介さんの印象が強く、実は五代目円楽師匠の司会は最後までシックリ来ませんでした。でも、そこで腹黒キャラクターという役をあえて演じ、師匠を馬呼ばわりするし、歌丸師匠と丁々発止のやり取りなど、ヒール役を買って出られたんですよねぇ。そして、ミスタープロレス・天龍源一郎さんとは、両国中学の同級生。プロレスにも縁が深かった方でしたね。

『三遊亭円楽のおたよりください!』は、しばらく伊集院さんが代演を努めておられたので、知ったのですが。こちらは、伊集院さんの番組でも放送されて知って、radikoを利用して福岡のRKBラジオなどで、福岡ソフトバンクホークスの試合中継を聞いたついでに、不定期に聞いていました。ここらへんは、有料会員の強みですね。全国のラジオ局を聞けるので。でも、最近は聞き逃していたので。検索したら、9月23日の回が聴けますね。追悼も兼ねて、拝聴しますかね。生老病死生生流転は世の常ですが、寂しくなりますね。

六代目三遊亭圓楽師匠のご冥福をお祈りします。合掌

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