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大きく揺らぐ縄文時代のイメージ

◉縄文時代というと、狩猟採集生活というイメージですが。でも近年は、縄文農業の証拠が見つかっていますし。三内丸山遺跡は約5900〜4200年前の遺跡ですが。ここでは、栗の木で実が大きいヤツを選んで、栽培に近いことをやっていたそうで。これも一種の農耕。しかも、どうやら日本への稲作の伝播が6000年ぐらい前、浙江省の河姆渡遺跡あたりから来たようですし。

【かつての教科書とは「ここ」が違う…大きく揺らぐ縄文時代のイメージ】ダイヤモンド・オンライン

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縄文時代と弥生時代というのは、もう区切りが曖昧になりつつあります。農耕、特に稲作とか区分になり得ない。そもそも縄文時代自体は、およそ16000年前から3000年前まで続いた、長大な時間ですからね。縄文式土器も一次は世界最古の土器とされ、また漆器も世界最古のモノが出土するなど、日本列島自体が興味深い地域ではあります。

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■縄文と素材研究■

縄文時代と現代日本との、連続性がないと言う人もいます。でも、日本人の粘り強さって、何も稲作の農耕だけが育んだモノでもないと思うのです。ゼロの概念を発見し瞑想の文化があるインドが、世界にIT人材を供給しているように、文化の厚みってそういうモノなんですよね。天才数学者のラマヌジャンも、まさにインドの瞑想文化が生み出した天才でしょうし。

日本も縄文式土器や、漆器の漆の成分の調合とか、日本人の得意分野です。高温超伝導ブームの時、日本の科学者は呆れるほど細かい原材料の組合せを試し、次々と新記録を更新しましたが。自分で漢方薬を調合した徳川家康のように、調合して薬効を調べるの大好きですしね。インドの瞑想の文化が2500年以上前からあるように、普通に文化伝統は紀元前から伝播するモノだと、自分は思います。

■ポリネシア系文化と縄文人■

日本の文化の基底には、ポリネシア系の文化があります。イースター島のモアイが褌(ふんどし)を着けて正座しており、背中に彫り物(文身)らしき模様があるモアイもあります。正座・褌・文身はポリネシア系の文化。ポリネシア人が現在の台湾や福建省の辺りからなんかしたのが、4500年ほど昔。大航海をももともしない海洋民族に。その一部が日本にも移住しているわけで。

ポリネシア人の祖先はオーストロネシア語を話すモンゴロイド系の民族で、その祖先は台湾に定住していた。紀元前2500年頃、一部のグループが台湾から南下を開始し、フィリピンを経て紀元前2000年頃にインドネシアのスラウェシ島に到達した。

日本だと卑彌呼の時代よりちょい後に、イースター島に到着し、ハワイ諸島にはその100年後ぐらいに到達。アウトリガーカヌーだけで。そういう流れを見ると、長江(揚子江)中流域から下流域の、農耕漁撈民が稲作を伝えてもなんの不思議もなし。実際、縄文人には潜水漁撈に従事する人間特有の、外耳骨の変形が見られる縄文人の遺骨が、福岡や静岡で見つかっていますから。卑彌呼の時代にも海人がいた記述もありますし。

■日本各地に残るポリネシア文化■

コチラの写真は、オセアニアのとある島のポリネシア系原住民のお祭り……ではなく、鹿児島県は西南諸島の悪石島のボゼという歳神。とても、日本には見えないでしょう? でも、これも日本の文化の一部。仮面・植物による簑状の装身具・棒状のモノを持つという、三点セットです。南下をしたグループとは別に、北上したグループもあるでしょうし、南下の後北上したグループも。奄美とアイヌに文身の文化がある理由。

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コチラは、山田貴敏先生の医療漫画『Dr.コトー診療所』のモデルになった鹿児島県の甑島の、トシドンという歳神。やはり、仮面に簑に棒。写真には写っていませんが、棒は男性器を模した〝はめら棒〟といい、これで突かれた新妻は、子宝に恵まれるとされます。名前がもう歳神ですが、子供にお餅をくれます。そう、これがお年玉の原型で、昔は餅をくれていたんですね。文化人類学で言うポトラッチ、富の再分配の贈答文化でしょう。

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そして、秋田県は男鹿半島のナマハゲ。こうやって並べると、東北の独自文化のように見えるナマハゲが、実は沖縄や奄美の南方の文化が、北上して伝播し、その地域の植生とか環境に影響されつつローカライズされつつも、基底部は同じだと理解できますよね。仮面・簑・棒。著作権の関係で転載しませんが、イースター島で検索すれば、向こうのお祭りにもやはりこの三点セットが観察できます。

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