【11/21】鶏つくねに憑りつくね
・2700字弱
・浦安鉄筋家族とガッシュについて
・浦安鉄筋家族シリーズ
・期間限定でいくつかタダだったので読んだ。面白い。
・この漫画の面白みの半分は顔の作画な気がする。この漫画のすごい所は、レギュラーキャラでさえ同じ顔は二度としないくらい全コマが表情豊かな点だと思う。もちろん「同じ顔は二度としない」というのは誇張で、よくよく探せば同じ顔のコマもあるのだろうけど。
漫画って絵を楽しむものなので、例えばよくある「デフォルメ絵の日常漫画の会話シーン」みたいなのなんかは、コピペでもしたかのように同じ顔のコマが何度も出て来て嫌な気持ちになる。こんなコピペすれば済むような顔も毎回手書きで書いていて、作者はそこにもやりがいを感じているのだろうな。創作ってそういうことじゃないと思うんだけど(また私の尖った思想が出てしまいました…)
・最近の多くの漫画家は顔を「十字架」で理解していると思う。福笑いのように、何のパーツがどこに配置されているのかを比率で覚えていて、のっぺらぼうの上にパーツを載せていくような描き方だ。しかしこの作者はそうではなく、骨と肉から理解しているような描き方だ。表情が動くときはちゃんとアゴの肉とかおでこの皮とか輪郭から全部動くのがよい。
・それにしてもこの漫画、全体的にロリコン臭がするな…全く性に寄せたシナリオでもないし、性を強調したコマもないんだけど、なんか表情の描き方からロリコンを感じる。
・浦安鉄筋家族、どの回も面白いんだけどオチは弱い。「オチが弱い」と言うと悪口に聞こえるかもしれないけど、この漫画においてはそれが長所である気がする。ギャグってオチも大事ではあるけど、それより全体を通してまんべんなく見所があるかどうかの方が重要だと思う。他のギャグ漫画家は「一つのオチに収束させなければいけない」という縛りプレイをしている中、この作品はそんな縛りを放棄しているおかげで自由度の高いハチャメチャをしている。いいね。
どれも巻末で作者が一人反省会をしているのがよい。作者が何を考えながら漫画を描いているのか知りたいからね…すげー自分の作品を褒めたりけなしたりしてて最高
この作者は、描いた漫画のオチの弱さをちょくちょく嘆いており、とある回のコメントでは「まんがはオチが全てです。ちょっぴり反省」と述べていた。そうなんだ…てっきり気にしていないのかと…
・ストーリーを通じて一本の目的があるわけではない日常漫画orギャグ漫画って、私には描けないなと思った。たくさんの登場人物がそれぞれの日常を送っていて、その刹那を切り取ってオチをつけたような短編完結を繰り返す漫画。
浦安鉄筋家族、サザエさん、あさりちゃん、おじゃる丸、クレしん、それ町、らきすた、あずまんが大王、日常、デジキャラット、etc…
そういう漫画において、例えば作者は「よし、今回は主人公の親友の姉がバイトをクビになる回を描こう」みたいにネタを思い立って漫画を描き始めるわけだけど、そのネタって完全な無から生成しているのだろうか?いや、日常漫画の作者というのは、コンスタントにインスピレーションを得るためのルーチンをそれぞれ持っているのだろうけど、具体的にはどういう思考回路でネタを出しているのだろう??
・バトル漫画のように一本の目的の通っている漫画であれば、「今回は主人公に成長して欲しいからこういう敵を出そう」のような地に足のついたコンスタントなネタ出しができるのだが…やはり日常漫画とかギャグ漫画を描ける人はすごいよ。「いつ、何が達成されたら終わりなのか」が明確じゃないまま長編漫画を描き始められる度胸を持ってるのもすごい…
・浦安鉄筋家族のドラマの方も面白かった。ドラマってもっとチープなものだと思ってたけど、こんなにパッションを感じるもんなんだな。役者さんの演技力が高くて、すげぇなぁ…と思った。全体的に色調も良い。原作漫画のネタも踏襲しつつ、映像作品でしかできないようなギャグも取り入れていて、センスたけぇ~と思った。いや、プロが監督してるから当然なんだけど。もっとドラマってチープなもんだと思ってた。こんな演技力と演出がいいこと、あるんだ。
特に大鉄役の人、表情筋の使い方ひとつひとつが計算づくであるかのような洗練された演技ですごいなと思ったので調べたけど、結構すごい人が演じてるのね(ドラマを全く見ない人生を送ってきたので、佐藤二朗さんと聞いてもピンと来ていない)
・金色のガッシュ!!
・いいね。
・「さて、王道的バトル漫画でも読むか~」と思いながら開いたのだけど、すごい期待通りの王道的バトル漫画を見せてくれた。笑いあり、逆転あり、友情努力勝利あり、感動あり、恋愛なしの万人ウケするバトル漫画だった。
・16巻全部無料だと思って読み始めたが、これ最後の4巻だけ有料なんだな。やられたぜ~~~~(まだ読んでいない)
・ガッシュ、キャラの描き分けのバリエーションが豊富でいいね。やはり優れたキャラデザ力の持ち主って、キャラデザのパターンが見えてこないんだよね。逆に悪いキャラデザとは、どれもこれも似通った見た目になるしパターンが見えてきてしまう。
・キャラの能力が様々でいいね。戦闘では弱い魔物でも、その能力がないとシナリオが動かなかったりする。強さが線形でないのがよい。
・世界観はというと、人間と魔物たちが二人一組になって地球上でバトロワし、生き残った魔物が次世代の王になるというシンプルなもの。しかし漫画的に映える設定が盛り込まれていて、さすがだなと思った
・人間が本を持ち、呪文を唱えると術が使えるという仕様なので、術を使うたびに呪文を大声で叫ぶ必要があり、漫画的に映える
・二人一組である点がよい。普通の能力バトルと違って、その二人に気持ちのすれ違いがあったり、主従関係があったり、あるいは相乗効果で強さが倍増したりと、お話の幅が広がっている。基本的には魔物vs魔物になるんだけど、そうやって油断しているうちに人間の方が何等かの工作をしていたりしていて面白い。
これはジョジョのスタンドバトルもそんな感じだ。
また、その「人間」「魔物」「本」のどれかを破壊すれば勝利なので、どれを狙って攻撃するかという選択肢もバトルの幅を広げる。
やはり能力バトルにおいて、「人間」と「能力」って物理的に切り離した方がお話の幅が広がるんだろうな。仮面ライダーファイズとかオーズも、変身道具の奪い合いが話の幅を広げていた記憶がある。
・おわり
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