バーンアップチャートを導入してみたらいい感じだった話
こんにちは。スーパーでレジ袋のサイズを聞かれて、「Mです。」って答えるとき、「いきなりドM宣言したのかな?」って思われないか心配になりますよね。HITO-LinkCRM開発チームのk.miuraです。
HITO-LinkCRM開発チームでは、一応スクラムっぽい形で開発を進めています。自分からはCRMチームのでの色々な取り組みについて、ちょいちょいお伝えしていきたいと思います。
今回は、バーンアップチャートを導入したら結構いい感じだったよ!ということを書きたいと思います!
バーンアップチャートとは
バーンアップチャートとは、ToDo(完了するべきタスクの総量)と、Done(完了したタスクの累積)を表したグラフです。横軸に時間、縦軸にタスクの量をとります。
バーンダウンチャートと違って、タスクの総量の変化を表現できるというメリットがあります。
「開発機能のスコープが変わった」「要件を詳細化していくにあたって見積もりが変化した」という出来事をウォッチしつつ、実際の開発の進捗をプロットしていくことで、「このQ(クォーター)の開発目標が本当に達成できそうなのか?」ということを簡潔に把握することができます。
うちのチームのバーンアップチャート見せちゃいます
こちらが実際にCRMチームで使っているバーンアップチャートです!
各線の見方は下記のとおりです。
・ToDo(灰色) …このQで予定している開発機能の見積もりポイント
・Done(青) …実際に消化できたポイントの累積値
・FCST(青点線) …平均値ずつ消化していった場合の予測
・最高(緑点線) …平均値+標準偏差ずつ消化していった場合の予測
・最低(黄点線) …平均値-標準偏差ずつ消化していった場合の予測
実績をもとに消化ポイントの予測を算出していますが、平均値±標準偏差のラインを併記することで、ある程度ブレがあったとしてもこの範囲に収まるだろう、というところまで予測が立てられるように工夫しています。
ちょうど今は真ん中のSprint44が終わった段階です。このグラフから実際の開発の状況を読み取っていきたいと思います。
まず、灰色のToDoの線に注目してみます。
着実に増えていますね…
原因は色々考えられますが、うちのチームの場合は、リファインメントをしていくうちに、見積もりが増加し続けていることが原因でした。
このToDoの線は1Q先の分をあらかじめまるっとざっくり見積もって算出しているので、実際に詳細を詰めていく段階でどうしても見積もりにブレが発生してしまいます。
今のところ、青の点線の予測の範囲内なので、ギリギリ達成できそうですが、今後もToDoが増えていくかもしれないので、ちょっとやべーです。
続いて青線のDoneを見てみましょう
Sprint43を見ると緑点線の上を行ってます。これはもうめちゃくちゃがんばったということがわかります。
がんばりすぎているので、むしろ怪しいです。(実はめちゃめちゃ残業していた…)
Doneの増え方を見ることで、なんとなくその時のチームのコンディションが見えてきたりしますね。
このようにバーンアップチャートの実績と予測の線を照らし合わせていくことで、残りの期間の戦い方を考えていくことができます。
今回の場合、ToDoが増え続けていて、達成見込みがギリギリすぎるので、このまま計画通りに達成するのは難しそうだ→予定している機能の優先度の見直しやスコープの調整をしよう、という動きにつなげることができました。
このようにして、開発の進捗状況に応じて適切な判断を下すのに有効なツールとして活用できるのではないでしょうか。
バーンアップチャートの効果
バーンアップチャートを導入してみた結果、こんな効果がありました。
・中期的な視点で進捗管理をし、開発の戦略を立てられる
・ゴールまでの全量が把握できる
・納得感のある開発
・メリハリをつけられる
・中期的な視点で進捗管理をし、開発の戦略を立てられる
常にそのQの開発がやり切れそうかどうかをウォッチすることができるため、不測の事態が起こったときには早め早めに戦略を立てることができます。
CRMチームの場合も、このQはどうやら見積もりが溢れて全部終わり切れなさそうだ、ということが早めに予測できたので、本当に重要な機能かどうか優先度を再検討したり、スコープの落としどころを探ったりなどのアクションにつなげることができていました。
・ゴールまでの全量が把握できる
実は今まで、あまり先のストーリーの見積もりをすることができておらず…PO/PdMにとっても先の計画が立てづらい状態でした。
しかし、バーンアップチャートを書くためには、ToDoを洗い出さなくてはいけません。
そのために「ざっくり見積もり大会」という大味なイベントを開催するようになりました。これにより、次Qに予定している機能要件の棚卸しをして、SMLレベルの粒度でスーパーざっくり見積もりをつけるというフローに改善できました。
・納得感のある開発
今までひたすら目の前のSprintをこなしてた開発チームにとって、各Sprintの関係性は点と点でした。
しかし、バーンアップチャートの管理下で一つの線としてつながることにより、Q単位の大きな開発の流れが見えてきます。今のQの開発テーマを把握することにより、開発チームとしては納得感を持って進めることができるようになりました。
オレは「納得」したいだけだ!「納得」は全てに優先するぜッ!!でないとオレは「前」へ進めねぇッ!「どこへ」も!「未来」への道も!探す事は出来ねえッ!!
かの有名なジャイロ・ツェペリも言ってましたね。「納得」は大事です。
「今このストーリーに取り組むこと」にきちんと腹落ちして納得できているチームとそうでないチームでは、生産性が段違いだなというのが個人的な所感です。
・メリハリをつけられる
ひたすら、わんこそばのように目の前のSprintをこなし続けるというのは、なかなか辛いものがあります。やはりキリのいいところでパーッと締めたいというのが人情です。
CRMチームでは各Sprint終わりの隔週のタイミングで必ず締め会をしています。
しかしながら、2週間というSprintの単位は、大きな何かを成し遂げた喜びをチームで分かち合うには少し小さすぎます(個人的な意見)
バーンアップチャートを見ながら、チーム一丸となってQ単位で大きな山を乗り越えようとすることによって、メリハリのある開発ができるんじゃないかなーと思います!
まとめ
ともすると、スクラム開発チームの場合は、Sprintという小さな単位に目がいきがちになるかもしれません。
バーンアップチャートを使って、Q単位の中期的な目線をPO/PdMと開発チームで共有してみると色々いいことがあるのではないでしょうか!
CRMチームの取り組みの例が何かのヒントになればうれしいです!
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