ヨシダ

お母さんは「ちゃんとした家の子と遊びなさい」と言う
ちゃんとした家ってどんな家なんだろう
柱がすごく丈夫とか？台風がきてもビクともしないとか？ゴキブリやネズミが出ないとか？いつも整理整頓されているとか？
お母さんが好んで仲良くなるわたしの同級生の親は、警察官とか役場の職員とかそんな人ばかりだ

ヨシダの家はお父さんがいない
お母さんは夜お仕事に行くらしくて、ヨシダは従姉妹のお姉ちゃんたちと一緒に生活しているらしい
お母さんの妹にあたるおばちゃんや、従姉妹のお姉ちゃん、ヨシダの弟たちとアパートに住んでるらしい
ヨシダはご飯を作ったり、洗濯をしたり、掃除をしたり、いろいろとがんばっている
お母さんが仕事が休みの前の日に、''彼氏''を連れてきて、料理が苦手なお母さんは、ヨシダに美味しいご飯を作っておいてとお願いするらしい
ヨシダは「えーー」と思いながらも作ってあげるって言ってた

わたしはお母さんが作ってくれたご飯を食べて、毎日毎日習い事に通っている
テストで99点をとっても、なんであと1点が取れなかったのか、お母さんがねむたくなるまでずっと問い詰められる
わたしがねむくてうとうとし始めると、バシンとわたしの頭を叩き、とても大きな声をだす
お母さんがわたしの頬をつねるときはなんだか気持ち良さそうな顔をしている
この話をしたら、ミキちゃんは「それって虐待じゃないの？」って小声で聞いてきた
セイラちゃんに話したときは「そうそう！気持ち良さそうな顔するよね！」と同意してくれた
いろんなお母さんがいるみたい

ヨシダはわたしよりも自由に見える