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MECEで考えること

漏れなくダブりなく

MBA(グロービス)の授業でまず習ったのがMECEという言葉だった。検討すべきことが漏れないように、そして同じことだけを考えないようにといった意味の言葉で、日本語では「漏れなくダブりなく」といった表現がされる。

なんとなく言われてみると当たり前のことのような気がしてしまうんだけど、じゃあ実際にやってみようとするとかなり難しい。

例えば問題を解決するために検討すべきことを漏れなくあげるといった場面を考えてみる。なんとなくこれとこれとこれは必要だよなといった形でいくつかのアイデアが浮かぶだろう。でもじゃあそれで本当に検討すべきことが漏れていないと一体誰が言えるのだろうか。

フレームワークはMECEの塊

何の指針もなくこれをやろうとすると本当に苦しい。どこまで行っても終わりのないマラソンを走らされているような気分になる。そしてそんな苦しいところにゴールを与えてくれるものが、ビジネスフレームワークと呼ばれるものだったりする。

3CとかSWOTとか単語を聞いたことがある人もいるかもしれないけれど、フレームワークというのは要するに先人たちの知恵の集積で、ビジネスにおける一般的な問題をMECEで考えるために必要な要素が分かりやすくまとまっている。

例えば3Cの場合は自社、顧客、市場という枠組みで、これは例えば自分たちが行なっている事業の環境を漏れなくMECEで理解する場合に大きな力を発揮する。

MECEがわかっていなかった自分にとってフレームワークの登場は、おおげさに言えばコペルニクス的転回とでも呼べるものだった。それぐらい感動した。でもだんだんとMECEで考えることに慣れてくると、フレームワークから離れてもMECEで考えることができるようになってくる。

ある状態とない状態

すごく簡単に言えば、Aであるという状態の反対はAでないという状態で、そう分解してしまえばどうであれMECEになっている。

例えば業績が落ちている原因をこれで考えてみると、①売上が落ちている、②売上は落ちていない、という整理の仕方ができる。売上が落ちているのであればその原因をまた同じように二つに分解し、売上が落ちていないのであれば業績が落ちている売上以外の要因を分解する。これを繰り返していくと結果として「漏れなく、ダブりなく」物事が整理されていく。

もちろんフレームワークが有用な場合もあるし、それはケースバイケースだと思う。ただ慣れてくるとだんだんとパズルを解くような気持ちになってきて中々楽しい。

もし、しばらく悩んでも解決しないような問題にあたったときに、試しにMECEで考えてみるとスッと解決策が見つかったりする、かもしれない。

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