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IT系のお兄さんと書き物

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読んだ小説、観た映画などについて、ふと考えたこと、あとたまに創作をまとめています。ここだけは特にテーマを設けずに自由に書いています。書いている本人が実は一番楽しいのかもしれません。
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#いま私にできること

言葉は全然完璧じゃない

僕らは普段、言葉を使うことで自由にコミュニケーションができると思っている。でも言葉自体はとても不確かな存在で、自由に伝えたいことを伝えたいように伝えることが実は結構難しい。 例えば「悲しい」という単語。悲しいシチュエーションは星の数ほどあるのに、その全てを「悲しい」とたった一言で表せてしまう。 それはつまり朝目覚めたら愛犬のペムが亡くなっていた時も、ポケモンのガチャガチャでルージュラが3連続で出た時も、好きだった女の子が友達と付き合い始めた時も、その全てが「悲しい」で表現

彼女はいつも暖かい

こんな時だからなんでもない話(創作)をショートショート風に。少しでも不安を忘れられるような時間を作ることができれば幸いです。 朝目覚めるといつも彼女は僕に巻き付くように寝ている。完全に抱き枕状態だ。最近少しだけ太ってしまった彼女の少しむくんだ、でもとても幸せそうな寝顔を見つめていると不思議と微笑んでしまう。 今年の冬はいつもよりは暖かかったけれど、それでも気温がマイナス近くになることもあったし、なんだかんだ言っても寒い。そういえば、少し前に出会った友人は寒い寒いと言いなが

卒業式や入学式が無くなることについて思うこと

僕は2011年3月に高校を卒業した。卒業間際は高校生活に思いを馳せたり、新しく始まる大学生活にわくわくしたり、いろんな感情が入り混じってはいたけれど、それは概ねとてもポジティブで色鮮やかなものだったと思う。そう、3月11日までは。 その日を境に世の中は一変し、心の中のあの鮮やかな感情達は徐々に色あせて、そして最後にはみな同じグレーになった。卒業式はあったけれど、それは卒業する3年生とその両親だけが参加する寂しいものだったし、大学の入学式はなくなり、さらに授業開始が1ヶ月伸び