渚にて ネビルシュート
渚にて
1957年 ネビルシュート
終わりが確定した世界で出会う平穏
未来は基本的に不確定だから人は不安になるし、またその不確定を少しでも確定したものにするために努力するものだと思う。でも仮に必ず人間の世界が数ヶ月後に終わるという未来が確定した世界では何が起こるか。
この壮大な仮定に対してこの本が描く世界は決してパニック映画さながらの混乱ではなくて、多少の混乱はありながらも驚くほど平穏に生活する人々の姿で、それはパニック映画よりもずっとリアルな世界観だった。未来への期待や