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イノベーションは誰でもできる

イノベーション(innovation)とは、「新機軸」や「革新」を意味し、新たな仕組みや習慣を取り入れて、革新的な価値を創造することを指します。

このイノベーションという言葉が聞き馴染みがなく、何やら難しそうな印象です。けれども少子高齢化で人口減少が目に見えている日本社会において、現状を維持するだけでも困難な状況下で、このイノベーションは各業界、各企業、各人で必要な要素だと思います。

生成AIのような革新的技術を開発して、世の中をより便利にしようと思って、みんなができたらそりゃ素晴らしいでしょうけど、現実はそんなに簡単じゃないですよね。
今日は平均的サラリーマンが小さなイノベーションを起こした成功体験についてです。同じようなどこかのサラリーマンにエールを込めて・・・

僕は中小メーカーに勤めるサラリーマンです。
入社後に、営業部として各業界に自社製品を販売していました。
その後、銀行からの転職ということもあり、営業部から経理部に転属しました。経理部と言っても、日々の売掛、買掛管理、決算処理だけでなく
社内のネットワーク管理、備品管理、などなど総務要素もあります。
いわゆる、バックオフィス全般が僕のテリトリーです。
大手企業と比べて人材が豊富であるわけでもないため、仕方なしの兼務です。広く浅い知識で何とかかんとか業務に支障のないようにしています。

営業の頃よりも、デスクワーク中心になりました。
古い企業なので書類仕事が多いのが辛かったです。僕は字を綺麗に書くのが苦手です。経費関連書類、振替伝票などなど経理に関する書類の全てが手書きでした。最低限、誰が見ても読める字にするように時間をかけるのがとても苦痛でした。
そこで、社内をペーパーレス化してしまおうと、思い立ったのです。

自分の関係する仕事だけでなく、顧客とのFAX送受信なんかも電子化を試みました。まずは関係者が多い、FAX送受信から始めました。FAXを複合機から印刷することなく、PCで閲覧、編集、送信ができるようにしました。
高齢の社員は抵抗感がありましたが、若手社員が率先して電子化してメリットが感じれたこと、困ったら若手に聞くといった文化が形成され1年程度で浸透しました。これだけで社内の書類がグッと減りました。

同時に請求書や納品書についても取扱量が非常に多いため電子化を検討しました。今までは印刷、封入、郵送を全て手作業で行っており、紙代、封筒代、郵送代といった目に見えるコストや、印刷から郵送までに関わる作業時間といった目に見えずらいコストがありました。
電子化することで、サービス利用のコストは新たに生じるものの、従来のコストと比較しても軽微であり、電子化することに舵を切りました。

請求書、納品書のペーパーレス化の問題点は、顧客が対応できるかどうかです。古いメーカーであり顧客も高齢な個人事業主もいることから、対応できるか不安でしたが、意外にも70%の顧客が電子化に対応してくれました。残りの30%の顧客はそもそも扱い量も少ない先であるとか、影響はとても少なかったです。

社内のペーパーレス化を推進し、FAX、請求書、納品書を電子化することができました。その結果思わぬ副産物がありました。
それは、社員それぞれがこの書類って本当に必要なの?と問題提起してくれたことです。組織運営が長期にわたるといろいろな書類や手続きの本質が抜け落ち、形骸化していくことはよくあることだと思います。
必要じゃないと分かっていても今まで通りに作成していた。
意味があるのか分からない業務がある。
などなど、一つ一つの業務に対して各社員が疑問を持ち、改善しようと働きかけてくれたのです。
もちろん、会社法上必要な書類だったり、管理上必要な書類もあるのは事実です。僕もその都度各方面に確認をとって不必要なモノを選別していきました。結果として無駄がなくなり、属人化していた業務は平準化され、それぞれが働きやすくなっていると実感しています。

中小企業だからこそ改革が簡単に実行できたのかもしれません。
(取引先の大手企業は変更の事あるごとに契約書を求めてくる・・・)
従来、当たり前に行っていた紙での仕事を疑うことで、本質が見えてきたとも思います。当たり前を疑え。ここから僕のイノベーションは始まったように思います。まだまだ道半ばですが、この小さなイノベーションを波及させていくことで、未来が明るくなることを信じています。

全国のサラリーマンの皆さん。小さなイノベーションしてみませんか。

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