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「多くの人の想いが込められた葬儀は人生最後の大切な儀式」 菩提山 龍雲院 2/2

 多くの人々の心に寄り添い続けてきた矢萩住職には、かつてお世話になった禅師様からのお言葉が今も心に深く刻まれていると言います。
 「お葬式をきちんとやれる坊主にならなきゃ駄目だよ。葬式坊主と呼ばれてもいいから真面目にやりなさい」。
葬儀は人生最後の大切な儀式。多くの人々の想いが込められた葬儀を、決して当たり前のこととして受け止めず、真摯に取組むように心掛けているのだと。
若い頃は「葬式坊主」と呼ばれることが嫌で嫌で仕方がなかったという住職。しかし禅師様の「汗水流して浄財をいただくのだから、当たり前と思わず、しっかりやりなさい」という教えに胸を打たれ、今では「葬式をしてもらってよかった」と思ってもらえるようお寺は努力が必要だと言います。


菩提山 龍雲院 矢萩作廣(やはぎさっこう)老師
昭和23年真室川町生まれ。駒澤大学仏教学部禅学科卒業。昭和43年大本山永平寺東京別院長谷寺、昭和44年大本山永平寺にて修行。昭和48年10月、龍雲院18世住職となる。

地域との「繋がり」

 永年勤続五十年を迎えた矢萩住職。今と昔について、少子高齢化で人数は少なくなったが、法要や葬儀自体は変わらないと言います。檀家さんと五十年、今では笹巻きやわらびを「食べろー」と持ってきてくれる親戚同志のような関係性なのだそう。「お寺と檀家はギブアンドテイク。足りないところを補い合う関係なんです。様々な檀家さんがいるし、答えは出ないんだけど、話は聞いてあげたい。」と住職は語ります。また、小学四年生のお孫さんが今年お坊さんの入門式(得度式)を終えたばかり。お孫さんの代へ想うことは?という質問に「自分はお寺が好きでなったが、孫はどうかな。」と嬉しそうな表情の中に、孫を心配する祖父のお顔を覗かせていました。

茶道流派の一つ「裏千家茶道」
新庄南高校で茶道講師をしています
得度式

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