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実験:「コバエホイホイ」を使ってみた

家庭菜園の土をリサイクルするため、台所から出る生ゴミに米ぬかと微生物資材(カルスNC-R)を混ぜて堆肥化している。これはいいのだが、生ゴミを狙ってコバエがかなり発生していて困っている。

コバエホイホイ

そこでコバエ退治の捕集器を探したところ、アース製薬のコバエホイホイがよさそうなので早速買って使ってみた。(正式名は「コバエがホイホイ」のようだが、一般にはコバエホイホイで通っている。)

2個入りで900円ぐらい。効果は1ヶ月ぐらい持続するとのこと。

生ゴミコンポストの近くに置いたら1日で相当数のコバエが捕れた。100匹以上いそう。

コバエホイホイは確かによく捕れる

薬剤の効果は1ヶ月あるらしいが、これだけコバエがびっしり覆ってしまうと捕集効果もなくなってしまうのではないだろうか?結局、我が家では2日使ってコバエが飽和状態になったので中身は捨ててしまった。

たくさん捕れるのはいいが、これではコストがかかって仕方がない(こんなに多くのコバエがいるのにも驚くが)。そこで、ホームセンターでコスパが良さそうなのを探してきた。

カインズのコバエ捕集器

カインズブランドは大型容器で2〜3ヶ月効果が持続するらしい。値段は680円。これはいいと思って試してみたが、あまり捕れなかった。なんかこの容器、ハエが好きそうなデザインとは思えないんだよね。

カインズの捕集器(中身が見えるように外装は外してある)。薬剤をスポンジに染み込ませて使う。捕集効果はイマイチ。

容器のデザインはイマイチだが、薬剤はコバエホイホイと同じようなにおい。これは結構寄ってくるんじゃないかな?

カインズブランドのコバエ捕集器に付属する誘引・殺虫液

薬剤の主成分はジノテフラン。コバエホイホイに使われているのと同じ。最近わりと多く使われている農薬だ。製造元はSHIMADAという会社(https://www.probuster.jp/)。害虫・害獣防除の製品を製造・販売しているようだ。

ちなみに私が使っている殺虫スプレーもジノテフラン0.01%含有水溶液だ。

適用範囲がかなり広い


捕集器のデザインが決め手

それならと、カインズの薬剤を脱脂綿に染み込ませたものをコバエホイホイの容器に入れたらどうなるか実験してみた。

下の写真のとおり、驚くほど大量のコバエが捕れた。本家のコバエホイホイよりも多い。写真で見ても気持ち悪いぐらい(笑)。

左から、コバエホイホイ、コバエホイホイ容器+カインズ薬剤、カインズ捕集器

ということは、カインズ捕集器に付属している薬剤はかなり優秀だと言える。コバエホイホイでたくさん捕れるのは、容器の形状が重要なポイントなのだろう。

この容器を使えば、カインズの薬剤を流用して安上がりにコバエ捕集器を作ることができるだろう。薬剤の量から考えると、コストはおそらくコバエホイホイの1/10ぐらいではないか?

特許調査

もしかしたらアース製薬が特許出願しているかもしれないと思って検索したら、それらしい特許出願があった(特開2009-112197 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/p0200)。最終的には拒絶査定されている(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/h0101)。

検索は「J-Plat Pat」(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)を使った。
以下は検索結果からの引用。

本願発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0007】
(1) 飛翔性害虫が進入可能な開口部を備えた本体と、害虫誘引成分を含むとともに当該本体に収容される薬剤と、を備え、当該薬剤は、所定の粘性を有する泡状に形成されてなる脱出抑制材を構成していることを特徴とする害虫捕獲器

(2) 飛翔性害虫が進入可能な開口部を備えた本体と、害虫誘引成分を含むとともに当該本体に収容される薬剤と、を備え、前記開口部と前記薬剤との間に、前記本体内に進入した前記飛翔性害虫が該本体の内部から脱出するのを防止する脱出抑制材が設けられることを特徴とする害虫捕獲器。

(3) 前記脱出抑制材が、複数のゲル粒により構成されることを特徴とする上記(2)の害虫捕獲器。

(4) 前記脱出抑制材が、ラビリンス構造により構成されることを特徴とする上記(2)の害虫捕獲器。

(5) 前記脱出抑制材が、ハニカム構造により構成されることを特徴とする上記(2)の害虫捕獲器。

(6) 前記本体が吊下げられるための吊下部を有することを特徴とする上記(1)〜上記(5)のいずれか1つの害虫捕獲器。

【0008】
上記(1)の構成によれば、薬剤が所定の粘性を有する泡状であり、不規則な多数の孔(隙間)を有するので、飛翔性害虫は薬剤から周囲雰囲気中に揮散された薬剤の害虫誘引成分により誘引されて、その泡状の薬剤に進入しようとする。そして、泡状の薬剤は所定の粘性を有するので、当該泡状の薬剤の内部に進入した飛翔性害虫は、その泡状の薬剤の内部に止まり、効果的に飛翔性害虫を捕獲及び/又は防除することができて、即ちその泡状の薬剤が脱出抑制材として機能することになる。そして、そのまま泡状の薬剤と飛翔性害虫の羽又は脚等とが接触して濡れることで飛翔性害虫が行動できなくなり死に至る。また、その泡状の薬剤に殺虫成分を含ませれば飛翔性害虫が当該薬剤と接触してそのまま死に至る。

上記(2)の構成によれば、飛翔性害虫が進入可能な開口部を備えた本体の中に飛翔性害虫を誘引する害虫誘引成分を含む薬剤が配され、当該薬剤と前記開口との間に飛翔性害虫が容器内から脱出するのを防止する脱出抑制材が設けられているので、薬剤に含まれる害虫誘引成分に誘引されて本体内に進入した飛翔性害虫は、脱出抑制材によって脱出を阻害され、効果的に飛翔性害虫をその内部に止めて捕獲及び/又は防除することができる。なお、脱出抑制材としては、構造によって脱出を抑制するもののみならず、形状によって脱出を抑制するものであってもよい。また、その薬剤に殺虫成分を含ませて飛翔性害虫が当該薬剤と接触してそのまま死に至る、若しくはその薬剤を液状、湿潤状にして、そのまま当該薬剤と飛翔性害虫の羽又は脚等とが接触して濡れて飛翔性害虫が行動できなくなったりして死に至るようにすると好適である。

上記(3)の構成によれば、薬剤に含まれる害虫誘引成分に誘引されて本体内に進入した飛翔性害虫は、その薬剤に向かって、脱出抑制材としての複数のゲル粒間、即ち当該ゲル粒により形成された隙間内に侵入しようとする。その結果、深部に入るに従って脱出を強く阻害されるので、効果的に飛翔性害虫をその内部に止まらせて捕獲及び/又は防除することができる。なお、ゲル粒に殺虫成分等を含ませたり、或いは薬剤自体をゲル粒として形成したりすることにより効果的に飛翔性害虫を捕獲及び/又は防除することができる。また、薬剤をゲル粒に代えて、泡としてもよい。

上記(4)の構成によれば、薬剤に含まれる害虫誘引成分に誘引されてラビリンス構造を介して本体内に進入した飛翔性害虫は、脱出抑制材としてのラビリンス構造(即ち、迷路)によって脱出を阻害されるので、効果的に飛翔性害虫をその内部に止まらせて捕獲及び/又は防除することができる。なお、ラビリンス構造において、害虫誘引成分に誘引されてラビリンス構造を通過する際にはその経路が迷路ではなく容易に通過できるものであり、且つラビリンス構造を通過して害虫誘引成分に誘引された飛翔性害虫が外へ出ようとする際にはその経路が迷路となっている、即ち進入し易いが脱出しづらい構造を有しているものが好適である。

上記(5)の構成によれば、薬剤に含まれる害虫誘引成分に誘引されてハニカム構造を介して本体内に進入した飛翔性害虫は、脱出抑制材としてのハニカム構造によって脱出を阻害されるので、効果的に飛翔性害虫をその内部に止まらせて捕獲及び/又は防除することができる。なお、ハニカム構造自体に殺虫成分を含浸させておくことにより、ハニカム構造を通過する際に殺虫成分に接触するので、効果的に捕獲及び/又は防除することができて好適である。

上記(6)の構成によれば、容器には吊下部が設けられているので、持ち運びや高い位置の設置が容易になる。また、吊下部が飛翔性害虫に対し止まり木としての効果(以下、この効果のことを「止まり木効果」ともいう。)を有することも可能であるので、止まり木に止まる習性を有する飛翔性害虫は吊下部に止まり、さらに容器の内部に進入することになるので好ましい。

【0009】
ここで、前述した本体は外部に対し内部空間を画成するように形成された容器であり、前述した開口部をこの容器本体の壁部等に直接形成する場合には、この開口部は飛翔性害虫の大きさよりも大きい内径、例えば縦5〜30mm、横2〜10mm、面積10〜300mm2を有したものであればよく、また形状は各図面に示したものに限定するものではなく、円形、楕円形、多角形等の機能性に基づいた開口形状、あるいは花びら、星型、動物、キャラクター等の意匠性を供するもの等種々な形状を適宜採用することができる。

【0010】
また、本体の外側面の色は特に限定するものではないが、飛翔性害虫の誘引効果を高めることができる赤や茶やオレンジの暖色系とするとよい。
(以下略)

特開2009-112197 特許情報プラットフォーム「J-Plat Pat」(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/)で、「アース製薬」「誘引」をキーワードにして検索した結果より引用

関連動画

自作コバエホイホイの紹介。私も真似してめんつゆを使ってやってみたが、ほとんど捕獲することはできなかった。今後、いろいろな材料を使って実験してみようと思う。

https://www.youtube.com/watch?v=mmgVpOcvc6E


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