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日経225オプション バックテストの手順

日経225オプションのバックテストを行っています。
今回はその具体的なやり方を簡単にまとめました。

私はSBI証券のHYPER SBI 2を使っています。従来のバージョンよりも見栄えがいいので気に入ってます。11月30日から、先物・オプションのデータも掲載されるようになったので、従来のHYPER SBIから乗り換えています。

オプションは結構リスクの高いトレードなので、日経平均がどんな動きをしたときに損益はどうなるのか、予め理解しておいたほうがいいと思います。
そういうわけで、今は資金投入せず、バックテストオンリーでやっています。いろいろなシチュエーションを研究し、負けにくいトレードを目指しています。

シミュレーションとして参考になればと思います。エクセルの簡単な知識があればデータシートは組めますので、興味のある方はやってみてはいかがでしょうか?

オプションについては高価な書籍も出回っていますが、ネットで得られる情報でとりあえず十分かと思います。例えばここ。


注意:オプショントレードを推奨するものではありません。自己責任で。

4/9追記:「補足」の後に、今年に入ってからの実績を追加しました。



バックテスト実施要領

市場データの取得方法

Hyper SBI 2にログイン

個別チャートを開く

右上の「時系列」をクリック。

ほしい項目を選び、「照会」で表示。その後「CSVエクスポート」をクリック。

ファイル名をつけて保存

CSVデータ。実際に使うのは、日付、始値、高値、安値、終値の5つ。
シート名はファイル名と合わせておく。

ポジションの組み方

ポジション戦略は、コール売りと、プットカレンダースプレッドの組み合わせ。図はコール売りの設定方法だが、プット売り、プット買いも同様。注意すべきは、プット買いは翌限月であること。つまり、ここではコール売りとプット売りは1月限、プット買いは2月限である。
先物価格に対し、どれだけ離すかは裁量だが、私はとりあえず売りは5%、買いは10%を基準にして定点観測を続けている。

データシート

全体像はこんな感じ。上記ポジション設定はこの左の列にある。
注意点としては、日経先物の高値においてコールが高値・プットが安値をつけ、日経先物の安値においてコールが安値・プットが高値をつけると想定していること。損益計算時にはどのセルを選ぶか注意が必要。

先物やオプションのそれぞれの価格は、CSVからファイルからコピーしたそれぞれのワークシートから、日付を手がかりにVLOOKUP関数を使って呼び出す。
例えば、12/16の先物終値のセルの中身はこうなっている。


損益計算の式は以下のとおり
例えば、12/16の引けでの利益175000のセルの中身はこうなっている。

グラフ化

エクセルにはローソク足を描かせる機能もあるので、日毎の損益推移を簡単にまとめることができる。また、散布図を使えば日経平均先物とオプションの損益の関係を見える化できる。

補足

エクセルのVLOOKUP関数を使うだけで驚くほど効率的にデータの集計ができることがわかった。マクロやVBAが組める人はさらに自動化も可能だと思うが、私自身はそこまでの技能がないし、手作業でもさほど手間がかからないので、今はこのやり方に満足している。

この戦略は、昨今のような比較的緩やかな(ボラティリティが低い)相場に向いている。タイムディケイ効果によって、コールやプットの価格が時間の経過とともに減価していくからだ。一方、急騰相場ではコールの売りが踏み上げられ、買ったプットが暴落するので、損失が拡大する(プット売りの減価では追いつかない)。また、暴落相場では、プットの売りが強烈に踏み上げられるので、これもリスキー(ただ、コール売りの減価と、プット買いの急騰もあるので、資金管理をしっかりすれば急騰相場ほどリスキーではない。)。
暴落の予兆が見えたら、プット買いの権利行使価格を売りの権利行使価格と同じにしたポジションで暴落に対応する手もある。バックテストでは50万円以上の利益が出ている。


バックテスト結果

2023年4月限
ケース1

3月3日15:15エントリー

結果

ケース2

3月3日18:00エントリー

結果

日経225の動き

所感
日経平均が急落した時は、ケース1で大きく損失が出ているが、ケース2のプット買いポジでしっかりヘッジできている。逆に日経平均の回復につれて、プット買いポジの価格が下がって行くが、今度はタイムディケイ効果によってケース1で想定通りの利益が出ている。ポジションも組み合わせを工夫することで負けないトレードができそう。


2023年3月限
ケース1

2月3日 15:15エントリー

結果

日経先物の動き

所感
日経先物の動きが穏やかなときは、この戦略は一定の成果を得ることができる。相場の急変には注意が必要。急落時はプット買いで対応。

2023年2月限
ケース1

1月6日 15:15エントリー

結果

ケース2

結果

日経先物の動き

所感
ケース1では、日経平均の上昇とともに損失が拡大。このポジションの弱点が露呈した感あり。逆に、日経先物の底値付近でコール買いを行えば、相当な利益が狙える。ケース2のブルコールスプレッドは、2回めのエントリ(コール売り)で1回目の投資元本を回収しつつ、利益を伸ばしている。


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