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灰谷魚
2014年4月30日 14:42
【小説】 ※無料で最後まで読めます彼女の右目の中には21個の海がある。詩的な表現。とかではなくて、それは文字通りの意味でしかない。彼女の右目の中には21個の海がある。「年の数だけあるのよ」と彼女は言う。「おばあさんになる頃には、ほんとに私の右目はうるさいだろうな。潮騒とか、海鳥の鳴く声とか、朝日に照らされた水面のきらきらした感じとかが」21個の海にはひとつひとつ名前もある。ぜんぶ彼女が付