閑話休題〜経歴詐称の話題が流行っている〜

某インフルエンサーの経歴詐称が、これまた某インフルエンサーにより発覚、という文脈の話が盛り上がっている。事実かどうかはわからないが、そうした記事や動画がこの瞬間も現在進行形で新しくウェブ上で生成されている。

転職エージェントとして、転職希望者が経歴を詐称していたという場面に過去何度か遭遇したことがある。結論、エージェント側には最悪の事態である。入社にかかった諸経費も含め、法人からは手痛い叱責、ご指摘を受ける。これは本当に心からお詫びしなければならないことであるのだが、結論、エージェントとの面談の段階で個人側へのリファレンスチェック(身元確認)をすることはほぼなく、前職在職時の書類や人づての情報、または何故このタイミングでそれが起こるんだ、という奇妙なことが発端で個人側の嘘が暴かれることがある。過失のケースもあるが、ある程度意図的な行動でもって詐称、隠避をするケースが多い。

後々の面談などでその個人と話すことが数度あった。彼ら彼女らは、ことが進むにつれて言い出しづらい雰囲気を感じたり、選考を優位に進めたいなどの理由から、詐称、隠避、黙秘をしたことを教えてくれた。

結論、起こってしまったことはしょうがないし、犯罪でもないので、彼ら彼女らに前科がつくこともない。法人側やエージェント側は個人を叱責したい気持ちがあるかもしれないが、それは無駄である。何故か。感情論だからである。感情論にはとにかく解決策が存在しない。まして、個人にとってエージェントや法人は肉親ではない。永遠の関係性を保つものでもない。つまり、どんな正論をかざして個人に想いをぶつけても、それは残念ながら彼らの心に届くことはない。論理的に具体的な損害を算出し、その損害を誰が補填するのか、その議論を進めていくほか無い。それについても法人側が泣き寝入りをするしかない、という状況を多数見てきた。ここについては本当にエージェントの力の無さを痛感するばかりである。

話を戻そう。結論、法人間との契約においては詐称はある程度信頼に影響をするものではあるが、法人間での契約ではない限りは、一個人の詐称をそこまで気にするべきでは無いのではないか、と感じるのである。

何故か。

今回の某インフルエンサーの経歴詐称については、結論、一つのワイドショーなのである。

某インフルエンサーが某インフルエンサーの経歴詐称を叩く、その話に群がる数多のネットハイエナ?がコメントをする、1人の人間を叩け潰せと騒ぎが起こる。この一連の流れを、冷静になって捉えてもらいたい。これはもはや、ワイドショーなのだ。ワイドショーが世間の耳目を集めたいが為に取り上げる性質の濃度が高い情報なのだ。そして、この昨今のワイドショーから、炎上が起き、誹謗中傷が起こる。そしてその誹謗中傷から、過去一年でも死を伴った事件が報道されたのは記憶に新しい。

ダラダラと書いてしまい恐縮だが、結論、あながこのワイドショー性の高い情報に反応し、詐称側への個人的な見解や批判をするのは、お勧めしない。既にインフルエンサーとして活躍している方であれば別だが、個人の大事な時間を使って他人を批判するのは、インフルエンサーに任せておけばいいのだ。あなたには個人を非難、批判する前にもっとやるべきことがある。今回の騒動に想いを巡らし、ことの発端や背景を想像し、自分だったらどうするかを考え、明日からの自分に活かせばいいのだと、私は思う。

自分が被った被害ならまだしも、自分が被ってもない被害に対してとてつもなく反応をすることはお勧めしない。その行為から形成された人間性は、いつかあなたにブーメランのようにとてつもない被害となって返ってくる。これは本当だ。転職エージェントとして数多の方の顛末を見てきただけに、スピリチュアルだと聞き流さず、可能な範囲内で心に留めて欲しいと、感じる次第である。

10月25日、プライベートブランドの鍋つゆのクオリティの高さに驚愕しながら記す。




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