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賞レース真っ只中! SAG、サンダンス、アカデミーを追え | 今週の映画ニュース

あと一ヶ月、映画賞に次ぐ映画賞が発表され尽くします。ゴールとも言うべき(?)オスカー像にたどり着くのはどの作品か?(掲載:第235号 2019/01/29)

【興収:1月第4週】『ミスター・ガラス』2週連続一位獲得も新作2本大不発 眠れる週末興行

M・ナイト・シャマラン監督のユニバース的一作『ミスター・ガラス』が、$18.5Mから$19Mを獲得して一位。しかし数字は決して大きくない。新作では批評家受けが悪くない『The Kid Who Would Be King』が$7.15M、観客からも総スカンの『Serenity』が$4.4Mと振るわない。やはり2週後に待つ『レゴ・ムービー2』が登場するまで、興行には期待できなさそうだ。なお、世界興行では『アクアマン』が水を得た魚のように記録を打ち立てている。下記参照。(O)


【映画賞】第91回アカデミー賞ノミネート作品一覧

アルフォンソ・キュアロン監督作『ローマ』が10部門のノミネートを獲得したことで、配給元であるストリーミング勢の存在感が、アカデミーでも一段と増した。『ブラックパンサー』のアート面での評価のみならず、アニメ長編部門で『スパイダーマン:スパイダーバース』への注目も集まっている。大衆向けスーパーヒーロー映画に市民権が与えられようとしている。なお、細田守監督作に是枝裕和監督作と、邦画の活躍も目覚ましい年となった。(O)


【映画賞】不服? アカデミー賞ノミネートからスルーされた作品15連発

『ヘレディタリー/継承』『エイス・グレード』『サスピリア』。ここに並べられた作品群が実際にオスカー候補に名を連ねられたかというと、性質上それはないという話だが。いずれも、この年を代表する特徴的で色味の濃い作品たちではある。賞レースでかき消されてしまう、多彩なラインナップを再確認するためのリストとして要ブックマーク。(O)


【映画賞】俳優組合賞発表 『パンサー』『メイゼル』『36歳、これから』に栄冠

SAG(全米俳優組合)アワードでは、『ブラックパンサー』が映画部門で賞を勝ち取り、テレビ部門では『マーベラス・ミセス・メイゼル』と常連の『THIS IS US 36歳、これから』の受賞が際立った。共演キャストたちの功績が総体で表彰された。もちろん、『ボヘミアン・ラプソディー』のラミ・マレックによる主演男優賞受賞も見逃せない注目ニュース。アカデミー賞まで一気に駆け抜けそうな勢いだ。(O)


【映画祭】サンダンス映画祭、ニュース総括ライブ・アップデート

すでに新作レビューや高額買い付けのニュースがいくつも飛び出しているサンダンス映画祭の動きを、voxが時系列を追って解説していく有益なソース。まだ2本ほどしか掲載されていないが、そのうちの一本はサンダンス映画祭の基礎について語る記事なので、今号の三谷のコラムと合わせて通読すると良いだろう。(O)


【ビジネス】グリーンライトが珍しくなくなった世の中で、求められるのは…編成のチカラ?(コラム)

デッドラインのピーター・パートが覚え書きのメモのようにして綴る記事だが、このトピックは現代のコンテンツ・ビジネスを象徴している。初週の興行でいかに稼ぐかに賭けてきたスタジオたちが、こぞって自社発のストリーミング・サービスに挑む現代。ポイントは、「初週の週末興行」に替わる「成功の物差し」であり、その大事さをいかにしてクリエイターたちと共有するか、ということ。(O)

編纂小原康平 / 初出:2019/01/29 第235号
有料メールマガジン「Ministry of Film - ゼロからのスタジオシステム」より

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