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5月2週:今週の映画ニュース | mofi 205号

ハリウッドの「中の人」全員が読む、毎週1500本の主要業界紙の記事の中から、知っておきたい必須のニュースを厳選してお届け。

【興収:5月第2週】「アベンジャーズ」$61Mで3週連続1位をキープ

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は国内$61.8Mを計上。土曜日には、アメリカで史上2番目の速さで$500Mを突破した作品となった。中国での$200Mと合わせた国外興行$343.1Mを合計すると、全世界$1.6Bを稼いだことになる。国内2位は初登場のコメディ『Life of the Party』で$18.5M。3位はスリラー『Breaking In』で$16.5M。昨年の同じ週末と比べ、興行は4.9%増で好調だ。(O)


【ビジネス】コムキャスト、フォックス買収に再度参戦の動き ディズニーと対抗

17年末に524億ドル(5兆9,000億円)で合意に至ったディズニーによるフォックス買収の動きに、コムキャストが再び参戦する可能性が出ている。コムキャストの提示額はオールキャッシュ・オファーで600億ドル。一方、AT&Tによるタイムワーナー買収は垂直型の統合が米独占禁止当局で問題視されており、6月に認可の是非が発表される予定。これが認められれば、コムキャストによるフォックス買収の可能性も現実味を帯びてくる。(O)


【配信】アップル、TVアプリからチャンネル会員登録を可能に

AmazonがHBOやSHOWTIMEに提供しているのとほぼおなじ方法で、アップルも自アプリからのチャンネル会員登録ができるようにするとの報。いままでは各外部チャンネルのアプリを通して登録しなければならなかったシステムを一本化する点がポイント。アップルのコンテンツ戦略の小さな一歩ということころ。(O)


【#MeToo】カンヌ・レッドカーペットで女優ら82名が腕を組み行進 女性差別を批判

ケイト・ブランシェット、アヴァ・デュヴァーネイ、そして女性としては数少ないパルム・ドール受賞者のアグネス・ヴァルダらが先陣を切って行進。71年におよぶカンヌ国際映画祭の歴史で、女性アーティストの作品が選出されたのはたった82本。残り1,688本は男性アーティストによるものだと言うのだから、その差は極端だ。しかし諸々の報道から鑑みるに、カンヌの遅れようも甚だしい。運営側が時代についていっているのか、怪しいところ。(O)


【#MeToo】H・ワインスタインの元アシスタント、独占インタビュー@カンヌ

昨年12月、TWCの元職員として初めて、秘匿契約(NDA)を破りワインスタインとの体験について証言したゼルダ・パーキンス。彼女がNDAを反故にするという前例を作ったにも関わらず、元TWCの従業員でパーキンスに続く者はいなかったことが興味深い。合わせて、「The language of law is masculine. It has historically been written by men for men.」という文句も象徴的なインタビューだ。(O)


【映画】園子温監督新作、ニコラス・ケイジ主演で英語圏進出

「Prisoners of the Ghostland」と題した園監督の最新作には、イレブンアーツのコウ・モリ氏を含む製作会社4社によるプロデュース。うち、現在開催中のカンヌでは、海外窓口担当のXYZ Filmsがプリセールスで同作品の交渉にあたっている。脚本はAaron HendryとSafaiが手がけた合作。暗い、未知の次元へと引き込まれた女児を救出するため、ケイジ演じる男性が奔走する物語だそう。(O)


【アニメ】Viz Media、オリジナルIPへ進出 ネットフリックスで新作アニメ

ネットフリックスで人気を博したアニメ「Castlevania(悪魔城ドラキュラ)」のプロデューサーと手を組み、メキシコを舞台にしたアニメ作品を製作する。日本国外でのアニメ製作が加速している。国産アニメの海外進出も遅れを取っている暇はない。(O)

著者小原康平 / 初出:2018/05/17  第205号
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