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何も無い

「ここには何も無い。はやく東京に行きたい。」

一緒に帰る道中に、彼はそう言った。

大きな空、青い山、おだやかな川、部活帰りの日焼けした肌の君。

わたしにとっては全部がここにあった。ここにしかなかった。

上京して3年。異常なほどの満員電車にも、無心で乗れるようになってきた。反対に、彼は地元で結婚して子供もいるそうだ。

君を失ってから、わたしは何かを求めて東京に来た。今日も満員電車に乗って目をつぶる。あの帰り道の風景とにおいと君の声を、鮮明に思い出す。


文章くらい好きにかきたいので、物語をかき
始めました。わたしが描いてるだけで、わたしとは全く関係ない登場人物たちの物語。わたしとは全く関係ないです。

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