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シリーズ クラシック業界の色々 〜今、そしてこれから〜 音楽活動編①社会人1年目 楽器店講師時代

こんにちは。いつもご覧いただきありがとうございます。

始まりました!新章「音楽活動編」。
私が大学院を修了してから行ってきている活動について、セクションを分けながらお話します。
(2023年10月一部補筆)

⚠️なお、勤めた場所などについての情報、その他プライバシーに関わる情報など、一切の公表を控えさせていただきます。
これに関しては、コメントやネットの書き込みなどによる質問や推測、いずれも固く禁止させていただきます。

また、わりと赤裸々な内容も書くことになると思います。
でも、色々なことがあって今の私があるということを知っていただきたいので、どうぞご了承下さいませ。

楽器店講師として社会人デビュー

さて、大学院修士課程在学中、色々悩んだ末に、
とりあえず修了後の仕事先として選んだ進路は「楽器店講師」でした。
大手の音楽教室の特約楽器店で個人レッスンを担当するものです。
これと並行する形で、大学院時代からしているレストランでの演奏のお仕事を続けることにしました。

これは、「演奏活動をずっと続けたい」という思い、
そして「演奏活動を拡大したい」という思いが強かったからです。

それと、自分で教室を起業し、レッスンをするという目標もあったので、そのノウハウも身につけたい。

コネクションや伝手もない状態でしたので、
いきなりフリーで活動するのに少し不安もあり、
ひとまず修了1年目はこの形でやっていこうと決めたのです。

楽器店講師の業務は、週5日、各曜日3〜9人くらいをレッスンするという感じ。
曜日によって人数の差や、途中で時間変更や退会による変動はありました。

なお、社員ではなく、個人事業主としての契約です。

仕事内容とその現状

子供〜大人まで幅広い年齢の生徒さんがいますので、
自分で指導教材の研究をしたり、
どの教材が使いやすいかなども、色々と試行錯誤しながら、指導者としての研究に勤しみました。
ただ、稼働先によっては使用教材についての制限がありましたね。
(なお、契約時にそのような説明はなく、稼働先の独断だったと思われます)

仕事自体は、拘束時間がそこそこ長いです。
レッスンが集中的に入っている日もあれば、空きコマが多い日もかなりありました。

でも、空いた時間に練習していい雰囲気かといったらそうでもなく、(他の先生や生徒さんが出入りされていますので)
練習時間の確保はかなり難しいものでした。

演奏活動との並行自体が、そもそも歓迎されない雰囲気でもありましたので。(これについては後述)
事実この最初の1年間は、新しく取り組んだプログラムは小品数曲程度でしたね。

そして、最初の1年目も何とか頑張って、この年はソロと室内楽によるリサイタルを開催しました。
その前に、国内のマスタークラスに参加したり、
学生時代の恩師にレッスンを数回お願いするなどして、準備を進めましたが、
大半が過去のプログラムから引っ張り出してくる形となりました。
なお、レッスン料も勿論全て自腹です。

国内のマスタークラスに参加。
リサイタル終演後。

結論を言うと、経済的には大変厳しい

それから、だいぶ赤裸々な話ですが、経済的な問題も無視できないものです。
度々X(Twitter)などでは話題になっている通り、
楽器店は基本的にどの会社も、
元となる大手の音楽教室・楽器店・講師、この三者でレッスン料を分配するような感じです。

ちなみにレッスン料は、30分レッスンでだいたい¥10,000前後(施設費込み)。
施設費を抜くと¥8,000前後
ですので、ここから分配されるとお考え下さい。

どの楽器店もおおよそこのような感じです。

研修や会議、発表会などのイベントの交通費、日当も出ない、演奏活動との並行をよく思わない所はザラにあると聞きます。
私の勤めた所も、会社主催の発表会は報酬と交通費が出ましたが、
センターごとのイベントは無給。交通費も出ません。
空きコマの分の拘束時間も当然お金は発生しません。
複数のセンターで稼働していましたが、そのうちの3分の2は演奏活動についても批判的または無関心で、
「演奏活動と指導業の両立など絶対にありえない」
「生徒のことを第一に考えて、弾く時間が減るのが当然」
という雰囲気でした。

お分かりかと思いますが、
講師はもちろん、楽器店や元となる教室事業者、
いずれの立場でも経済的に大変厳しい
と言え、
講師は他の仕事もできないように拘束されているような感じです。

講師の給料となるのは、レッスン料の45%程度。
教室によっては20%程度の所もあると。
40〜50人教えても11〜12万が関の山なのが現状です。

そして事実、このコロナ禍以降、
楽器店の閉店や規模の縮小など、あちこちで耳にします。
これに加え少子化など、別の問題もやはり起因しているでしょう。
私の勤めた楽器店もその影響はあるようでした。

本題に戻りますが、そんなわけで経済的に私自身も苦労しました。
でも、まだまだ沢山研究して、
演奏家・レッスン業どちらも質の高いものを、幅広く各地でお届けできるアーティストになりたい。
この気持ちはとにかく強かったです。

理想とする音楽活動のために行動を起こす

自分の望む活動、そしてお金の問題、いずれも無視できません。
でも、何とかやり方を工夫して、"音楽だけで"生活していきたい。

そこで、社会人2年目から、
・場所を問わず、ソロ・伴奏いずれの演奏のお仕事もお受けする
・自分の教室を開業する

この二つを思い切ってスタートさせることに決めたのです。

楽器店勤めは1年間だけとなりましたが、
レッスンをしていく上での基礎となるノウハウを身につけ、
実際に今の教室運営でも大いに役立っているので、その点は大変感謝しています。
最初から自営だったら分からないことも多かったと思うので。
ここでの日々は私の一部となって今も活かされています。

幸いなことに、社会人1年目の終わり頃から、
今レギュラーでさせていただいているセレモニーの演奏のお仕事が決まり、
公式HPからレッスンのお問い合わせを頂くなど、
良い方向へ向かう兆候が見えていました。

直感だったのですが、「いける」
この気持ちがあったのです。

そんなわけで怒涛の1年が終了し、
2年目からはフリーランスとして演奏活動、教室運営を本格的にスタートさせます。
その間、仕事を増やすために沢山の行動もしました。
正直良くない思いをしたこともありました。

次回の記事では、社会人2年目の活動、その間の出来事についてお話します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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