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育児と仕事の両立のリアル

当事者の感覚がまだ残っているうちに・・・

あんなに大変で、でも小さな幸せに溢れていた乳幼児期の育児。子どもの成長とともに記憶が曖昧になっていき、後輩ママの質問に対して「うーん、こうだったかなー?でも大丈夫、どうにかなるから!」って話しかできなくなってくる。「聞きたいのはそうじゃなくて、もっと具体的なHowなんだYO!」って私自身もよく思ったから、当事者感覚がギリ残っているうちに、育児と仕事の両立について記録に残しておこうと思う。

まず、うちは一人っ子(男、現在5歳)だ。健康体で人並みの風邪/発熱しかしていない。祖父母はどちらも電車で一時間の距離にいる。パートナーは家事育児なんでもやる。そして私は体力がないw 完璧主義でもない。
例えば、3人やんちゃ兄妹の育児と仕事の両立を1人でしなければならない…とか、職場の理解が全然ないブラック企業に勤めていて…いう方には役立つ情報があまりないと思うので、ご了承ください。

・いつか子どもほしいけど両立が不安
・現在育休中で復帰後の両立イメージがもてない
とお考えの方なら参考になるところがあるかもしれません^^

両立一年目の1日のスケジュール


6時半  /子ども起床
〜7時50分/子どもと私の朝の準備全部
 おむつ変え、朝ごはんつくる、食べさせる、
 保育園の準備、顔拭く、歯磨く、着替える、
 自分の準備して、熱測って保育園ノート書く。
7時50分/自転車で保育園の送り&出社
 ※送りは双方の仕事の予定を鑑みながら協議の上分担スタイル。


18時半 /帰宅〜寝る準備全部
 DVD見せながらご飯作る、食べさせる、
 机の下掃除、食洗機、ちょっと遊ぶ、風呂、
 保湿剤ぬりぬりぱふぱふ、歯磨き(ギャン泣き)
 絵本読む  
20時半〜21時/就寝
 HPゼロ。 気絶するように私が先に寝る。

朝方
3〜4時/自然と起床・自分時間
 自分のためだけに使える静かで貴重な時間。
 癒しの時間。

私の両立1年目は2017年。時はまだ通勤あたりまえ時代。
保育園は会社と反対方向の隣駅のその先にあったから、朝30分早く家を出て通勤ルートではない方向へ自転車で爆走。最初の頃は保育園に着くとギャン泣き。「置いて行かないで!」って必死に訴える子どもを見て、(果たして泣く子を置いてまで仕事に行く必要が…?)と心が折れそうになる。「保育園でしかできない経験がある、仕事もしたい!乗り越えろ、自分!」と言い聞かせる。実際、慣れてくれば日中楽しめてるみたいし、保育園の先生はプロ集団だからね。お友だちとの関係性やいろんなアクティビティを通じて学ぶものって本当に親だけじゃ提供できない。

でも本当に大変なのは、イヤイヤ期が始まった1歳半前後からだったかな。保育園に向かう自転車に乗ることにとにかく抵抗する。力も強く、12kgの塊が全身全霊で暴れ泣き叫ぶ。ただでさえ電動自転車(35kg)は私の体のスペックに対して大きいし重い。少しバランスを崩すと転んでしまうのだが、そこに12kgの塊が泣き喚いて暴れ始めたもんなら、自転車のバランスは取れない。ヘルメットをしてても子どもの頭をどこかにぶつけてしまいそうで、危なくて走らせることができない。(会社到着次第、あの仕事しなきゃ、誰々に返信しなきゃ…)って考え時間にも追われ焦っている中、コントロールできない癇癪に付き合わされる時ほどイライラするものはない。優しくなだめる、ダメなら渋々おやつで釣る、それでも無理なら遅刻を覚悟し落ち着くのを待つ。保育園に預けた後、電車に乗るまでも降りた後も全力疾走。朝からMAXストレスを抱え疲れた状態で出社。この時点でHPは1/2。

始業したら相手は分別のつく大人ばかり。コントロールできない何かに翻弄されることはない。とは言ってもなんせ初めての仕事で要領得ないから、常に緊張状態。時間内に仕事を終わらせることができず、自分にイライラ。ただ幸いなことに職場にママもいて理解があり、教育係の人はいい意味で平等に接してくれた。時間に制約があるから、最初半年は今日やるべきことはやりきった!なんて日はほぼないけど、自分に足りないものが見えていたので、それができるようにただ一生懸命に毎日を過ごしていて、そういう意味では充実感や成長実感がある有難い時間だった。

保育園のお迎えを経て、18時半頃帰ってから20時半〜21時に寝かせるまでは、分刻みで再びフルスロットル。ソファの上の洗濯物畳まなきゃ、掃除機しなきゃと思いながらも、家事ばっかりしていると子どもと向き合う時間がなくなる。子どもと遊ぶ時間を15分くらい確保できるレベルでちょっとした家事を行い、残りの平日を生き延びるために必要な家事は後ほど帰宅する夫に託し、さらに後回しにできそうな家事はすべて夫婦で週末にやっつけるスタイル(買い出しとか、作り置きとか、掃除全般)。21時までには一緒に寝て、早朝に自然とスッキリ目覚め、そこからの数時間が私を癒す自分時間。復習やらインプットに充て、やり残した気持ちをそこで取り返し、心の平穏を保っていた。

つまり、まとめると両立の何が大変か。

何が大変?って全部だよ!ってなっちゃうんだけど笑。もう少し言語化すると①思い通りにいかずフラストレーションが溜まること ②体力的にキツいこと ③自分で自分を追い詰めてしまうことなのかな。

思い通りにいかずフラストレーションが溜まること
相手が赤ちゃんだと、思い通りに行かないレベルが異常。普通に考えたらこうでしょって話は到底通じない。時間に余裕があれば何をされてもいいが、しっかり寝かせてあげたいと思うと、起床してから出社時刻までの限られた時間でミッションコンプリートする必要がある。その時間に追われる中で、理解できない論理と感情で好き勝手主張する赤子。脳の成長を考えたらそれは喜ばしいことであることはわかってる。よく観察したら子どもなりの理論を理解できることも全然ある。ただ、日々の生活を回す上でそんなことにほんわかする余裕なんてどこにもない。ただシンプルにストレスなんだw 

どうにか落ち着かせようと思うと、こんなのダメってわかっていながらお菓子をあげるしかなくて、その状況にもイライラする。相手が大人であればもう少し叶えられるであろう「こうしてあげたい」「こうあるべき」「こうしたい」が、ほとんど叶わない毎日。1日の終わりに「できなかった」「またイライラしちゃった」という感情に支配されることが多くなり、自己肯定感もだだ下がり。

体力的にキツいこと
おそらく多くの人が育児と仕事の両立をするまで、ここまで時間に追われっぱなしで全力疾走の日々を長期間過ごす経験をしたことがないだろう。元から運動習慣がある人以外は、結構辛い体力消耗戦だ。無理やり1日の運動メニューに落とすと、こんな感じ?知らんけどw

・1km自転車ダッシュを2往復
・300m走を2回
・12kgの負荷付きスクワット20回(抱っことか)×朝晩2セット
・ダンベル12kg 両腕20回ずつ(抱っことか)×朝晩2セット

毎日仕事しながらこれだから体力的に普通に辛かった。イヤイヤ期が始まると「思い通りにならない」も「体力的にキツい」も加速度的に増し、辛いに拍車がかかる。

③自分で自分を追い詰めてしまうこと
私は2年のブランクの後の就職と同時に両立スタートだったからこそ、ここで成果ださなきゃ、ここで何かを掴んで何者かにならなければ!って自分で自分を追い込んでた。周りに引けを取らないように、ママだから新しい仕事頼めないって思われないようにって常に気が張ってたし焦ってた。加えて、私はないものを見る癖があったから、保育園のお迎えで帰宅後、会社の人たちのコミュニケーションが見えない時間に何か遅れをとるんじゃないかと、常に気持ちが落ち着かなかった。実際にはそんなことなかったとは思うけど、隣の芝生は青く見える状態に勝手に陥っていた。この精神状態、意外と皆陥りがちなんじゃないかな。誤解がないよう伝えておくと、家族がらみで食事する場を所属部署メンバーで何度か設けていたこともあり、皆子どものことを気にかけてくれたし、突発的な休みにも快く対応してくれる恵まれた環境だった。

今振り返って、両立うまくやるコツは?

4つある。

①自分への期待値を下げてスタート
特に両立1年目の最初の3〜6ヶ月は、家族みんなが新しい生活リズムを構築・定着させる期間。最初はうまくできなくて当然。無駄に自分に対する期待値を上げる必要はない。「生存できていて笑顔の時間があればそれで良い」くらいに期待値を下げてスタートした方がいい。最初からインスタで見かける完璧ママを目標にしちゃだめ。

②取捨選択
両立一年目は何を重視したいかを決め、それ以外を捨てるくらいのスタンスでいい。理想を言えば、パートナーと共通認識としてもてること。

・私が両立1年目に重視したもの
(1)子どもが生命維持できること
(2)私がご機嫌でいること ※子どもの幸せに直結するから
(3)職場での信頼獲得

・私が両立1年目に捨てたもの
(1)家が綺麗であること
(2)全部自炊
(3)同僚との仕事以外のコミュニケーション

例えばもし、子どもを幸せにするためにまず自分がご機嫌であることを最優先するのであれば、ご機嫌になるために必須な「自分時間を確保」を現実的なラインで死守する。平日夜はワンオペ育児をやることが多い分、家事はパートナーと分担し、朝の自分時間は本当に"自分のこと"をやる時間にするなど。よく聞く話で、パートナーが家事をやってくれるのはいいが、自分の当たり前基準を下回って我慢ならんというものがあるが、もし「自分時間を確保」が最優先事項であれば、パートナーにさらっと伝えるに留め、気分を損ねずやり続けてくれる状態を優先した方が、結果的に幸福の総量が高まる可能性がある。リズムができるまでは完璧を目指さずに取捨選択するのだ。

③できるときに周りの仕事をサポート
前提、勤務時間に制限が加わると、自然と生産性は爆上がりすると思っている。時間の制約に負い目を感じる人が多いが、ある程度までは生産性で勝負できる、というのが持論だ。私の独身時代の働き方は、今振り返ると無駄のオンパレードだった(ごめんなさい…)。両立に余裕を持てるようになったら、体調不良や忙しくて辛そう、どうしても早く帰りたい等の同僚の仕事をできる範囲でサポートする。これができていると急に休まないといけない時に、持ちつ持たれつの関係ができ、しこりが残りにくい。当の本人からしたら両立は辛いけど、自分が選択した道でもある。相手には相手の事情がある。だからお互い気持ちよく支え合えるように、サポートすることを心がけるといい。あくまで自分が慣れてきたら。

④できるときに自分のための時間を作る
乳幼児育児と仕事の両立期間は、主に人のために時間を使う期間。自分のために使える時間はごくわずかで、自分の感情ややりたいことを封じ込めすぎて、私ってどんな人間だったっけ?自分らしさって何?って見失いがち。エネルギーが下がる期間とも言える。
定期的に飲みに行ってくだらない話でゲラゲラ笑う、カラオケやダンスや絵で自己表現する、映画で泣くなど、自分なりの方法で自分を解放する時間を作った方がいいと振り返った今思う。
私は仕事仲間ときゃっきゃ楽しい時間を過ごすのがモチベーションに繋がる。それなのに、両立1年目は全くと言っていいほど交流の時間を持てなかったから、周りとの情報格差や関係性の薄さが余計焦りに拍車をかけていた。2年目以降、パートナーの協力の下、定期的に交流の時間を作れるようになってから、本当に心が落ち着いた。

仕事と育児の両立のポジティブな側面

辛い苦しいという発言がメインになってしまったが、当然長い目で見てポジティブだから私たちは両立に奮闘する。改めてポジティブな側面を見て締め括りたいと思う。

仕事か育児かの二者択一の時代はとっくに終わっている。子どもの人数や環境にもよるが、育児に手が掛かるのはおそらく小学校低学年まで。一番手がかかるのは私の感覚だと4歳くらいまでかなと思っている。その後も小1の壁とか思春期とか受験期とか、大変さや気苦労は種類を変えてずっとあり続ける。その間周りに迷惑をかけてしまうかもとか、子どもが可哀想とか、気持ちはめちゃくちゃわかるけど、仕事が好きな人は、まず数年踏ん張れるかトライした方がいい、が私の考え。ブランクが長くなればなるほど復帰が難しくなるのは世の常だし、「子どもを持つ=自分の人生終了」ではない。収入面でも精神面でもあらゆるリスクヘッジの観点でも、仕事はあった方が良い。

そしてどんな選択肢にもポジティブな面とネガティブな面が捉えようによってあるものだが、ネガティブな面を気にするとき、実は自分が気にしているのは実態のない"世間の目"なのではないか。他人軸で考えていないか。というのは問い直してみると良いかも。自分を縛るものは自分の思い込みだったりする。

自分が意義を感じる仕事を続けられること。対社会や対他者で貢献する場があること。無条件に可愛くて守っていきたい存在がいること。日々の成長を一緒に喜び楽しめること。これらは共存しうる。両側面あるから辛くて楽しい。「どうにかなるよ」って結論は結局変わらないのだけど、思い詰めすぎずにまずはやってみよって話でした♡

おしまい

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