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柿本人麻呂伝説を追う──葛城市柿本をめぐって

 歴史雑記137
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※ヘッダ画像は葛城市柿本に鎮座する柿本神社。

はじめに

 柿本人麻呂は『万葉集』や『小倉百人一首』で名を知られる、古代の歌人である。
 特に『万葉集』においては山部赤人と並ぶ代表的な歌人と認識されており、その官位が低かったであろうことや、不明点の多い(というかほとんど分からない)その経歴も相まって、「万葉の大歌人」かつ「謎の歌人」でもある。
 この記事では、現在の奈良県葛城市に鎮座する柿本神社と絡めつつ、人麻呂に少しでも迫ってみたいと思う。

葛城柿本神社境内にある人麻呂の墓。

人麻呂についてわかっていること

 人麻呂は宮廷歌人と言われる。
 確かに、皇族に随行していることが『万葉集』から確かめられるから、後の世の宮廷歌人にあたるような存在であったという評価もできるだろう。

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