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増える遺跡と減る人間──なぜ天皇陵を掘らないのか

 歴史雑記136
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はじめに

 邪馬台国論争などに絡んで、よく「なぜ天皇陵を掘らないのか」「宮内庁が掘らせないのが悪い」というようなことが言われる。
 今日はこのことから始めて、遺跡といま生きている人間のこと、そして社会のことを考えてみようと思う。
 あんまり希望のない話に思われるかもしれないが、それはそれとして受け容れるしかないので……。

人間は減っている

 ご存知の通り、日本は人口減少社会になってしまった。
 単純に人口が減ること以上に深刻なのが、労働人口が減ることで、すでに市場では労働力不足が大きな問題になっていることは周知のとおりである。
 これが技能実習生などの問題にもつながるが、脱線してしまうのでこの記事では触れない。
 とにかく、働いて税金を納める「現役世代」が減っていて、今後も減っていき、そして社会の規模(市場の規模も)が小さくなっていく……ということを前提として踏まえて欲しい。

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