私たちは、どんな関係性だって紡げるードラマ『こっち向いてよ、向井くん』を観てー
水曜22時に放送されていたドラマ『こっち向いてよ、向井くん』が、昨日最終回を迎えた。
めっちゃ楽しい恋愛コメディだ〜と見始めたのだけど、だんだん「結婚とは」「別れとは」「幸せは」とテーマが深くなっていって。
コミカルで軽やかな空気は保ったまま、あれよあれよと人間関係について考えさせられていく……思っていた以上に価値観も大きく動かされるようなドラマだった。
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なんかね、過信していたのかもしれない。
人のことわかってるって。
ドラマの中には本当にさまざまな価値観を持った人がいた。
「元気(主人公の妹の夫)は元気のままでいてほしいの。夫という役に変えられてほしくない」と離婚し、最終的に二人だけの関係をつくることにした向井くんの妹夫婦。
自分の人生を、自分なりに探し始めた向井くんの元カノ。
「男女でいるだけで恋愛関係って思われるの、なんか寂しいね」と話す坂井戸さん。
そして恋愛迷子だった主人公・向井くんは、やっと見つけた坂井戸さんへの「本物の好き」を伝え、「付き合いたい」ではなく「向き合いたい」と告白する。
私なんかでは想像もつかなかった価値観が、ドラマの中には散りばめられていて。
「あの人きっとこう思っているよな」「だからこれはしないでおこう」なんて思ってきたけど、果たしてその想像はどこまで合っていたのだろう?
わかった気になって、守りに入って、対話を疎かにしていたんじゃないだろうか?
ドラマを観ていたら、人と人との関係を既存の枠に嵌める必要なんてないのかもと思えた。夫婦とか、友人とか、家族とか。それだけじゃなくていい。
婚姻関係を結ばなくたって、一生そばにいるカップルがいてもいい。恋愛関係じゃなくたって、大切な異性がいてもいい。
大事なのは、自分がその人とどんな関係でいたいかだ。名前なんて、いくらでも作れる。
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人間関係って難しいなと思っていた。大人になってから特に。
パイレオがなくなったら、もう会えなくなるかもしれない……そんな関係だった向井くんと坂井戸さんみたいに。会社やコミュニティを離れたことで、会えなくなった人はたくさんいる。
仕事で知り合い、意気投合したあの子は友だち?
それがわからなくて、会いたいのに連絡を取れないでいる人も多い。
でも、誰から見ても理解できる名前なんてなくてもいいんだ。会いたいと思って、会おうと言ってもらえるなら、もうそれでいいじゃないか。
勝手に決めつけないで、たくさん対話をしよう。
もっと「わたしはすきだ」と伝えよう。
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