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【詩】祝春

とつ
ふさり
ふさり
新芽たち
土を払い
日の世界へ
顔を覗かせ
明るい箱庭に
誘われた風が
若い緑を歓迎し
降りしきる花弁
終と始が縁取られ
返礼は無垢の契り
土色の闇が拓け
眩しさが満ちる
ここはどこ
我思う故に
ひかり
温もり
地 底より巡ってきたひとつの点が在り
波 感じてこれまでとは違う呼吸の開始
たかく
ひろい
深い潜りの
目が覚めた
果てのなさが嬉しい
寄る辺なく恐ろしい
時を同じくする仲間が
驚くほど近くにあって
世界を祝い交わし
初風に身を震わす
間違いなく次章
やる事はおなじ
今は喜ぼう
日照も嵐も
辿り着く
夢読
春の


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昨日の春分点を迎えて。

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