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詩【やわらかな季節】

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妊娠・出産・子育てにまつわる詩、ときどきエッセイ。 ちいさいひとたちとの、ひととき。
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記事一覧

「親の木」

親と言う字は 「木の横に立って見る」と書くのだと 教えてくれた人があって そんな木持ってな…

有門萌子
1年前
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「範囲」

子らと離れ ひとりきりの時間を過ごすと 使命を失って余ったわたしの注意力たちが ちいさな彼…

有門萌子
1年前
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「出会い」

園へ向かう途中の 交差点にある草垣に 息子は毎朝あいさつをしに行く 「いた」 おおきな蜘蛛を…

有門萌子
1年前
41

「やわらかな季節」

ちいさな手をひいて歩く道は 空高く昇った日に照らされ 流れるものはすべて ゆったりと動いて…

有門萌子
1年前
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孕みたてなかばの野良女はカタツムリになりたい

どうして人間は子宮のある個体とそうでない個体に分かれているんだろう。細かい顔のつくりこそ…

有門萌子
2年前
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「おかえり」

家に帰ってくると息子は 大きな声で元気よく 「ただいま」じゃなくて 「おかえり」っていう …

有門萌子
2年前
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【詩】てぶくろ

いっしょに湯船に浸かって おもちゃで遊んでいた娘が ちいさなじょうろを わたしの手に被せて 「てぶくり」 と満足そうにわらう 「あったかい?」と聞かれて てぶくろ と言いたかったのだと気づく 「あったかいよ」とこたえながら てぶくりが いつか てぶくろになる その日が 楽しみなようで すこし、さびしくて やわらかな白い手を握りながら言う 「てぶくり、ありがとう」

【詩】やさしさ

半分は優しさで 出来ているらしい バファリンを飲んでも わたしの半分も 優しくなれず 無造作…

有門萌子
2年前
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【詩】月をもらう

「あ、おつきさま」と 空に手を伸ばしたきみは あーむ、といって月をとり ちぎって食べるまね…

有門萌子
2年前
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「泣き声」

どうしてもと駄々をこねる あなたの大きな声に 追い詰められ 責められているような気がして 割…

有門萌子
2年前
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詩という行為の先に見えるのだとしたら

先日、私が数年前にクラウドファンディングで絵本を2冊出した、ということを知った知人からこ…

有門萌子
3年前
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