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【詩】月をもらう


「あ、おつきさま」と
空に手を伸ばしたきみは
あーむ、といって月をとり
ちぎって食べるまねをする

欠けた月でも
満月でも
たべちゃったと笑いながら
「はんぶん、あげる」
とわけてくれる

小さな手からもらった月は
わたしの中で満ちていくばかり
いつか
わけてくれなくなる日が来ても
もらった月のやさしい光は
このさきずっと
わたしの中に






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