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自分の心のなかをのぞき続ける

もの凄く単純な私が、思わず「何かクリエイティブな仕事がしたい!」と漠然と思ったドラマ。それが「重版出来!」だ。


松田奈緒子さんが月刊スピリッツで連載している漫画を原作とした、2016年にTBSで放送されたドラマだ。脚本は大好きな野木亜希子さん。


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                      (TBSホームページより)

以下、Wikipediaより転載。

舞台の中心は週刊コミック誌の編集部。新人女性漫画編集者・黒沢心を主人公に、漫画家を支える編集者の仕事を描く。出版業界を支える編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員、一般に裏方と呼ばれる人々の努力や連携があってこそ、初めて1冊の本が読者のもとに届くのである。”作品は漫画家だけの力では売れない現実”をリアルに描いている。


このドラマは名言の宝庫だ。特に私が好きなのは、第7話で小日向さん演じるベテラン漫画家三倉山が、ムロツヨシさん演じるアシスタントの沼田に対して言った名言。


作品を作るということは、自分の心のなかをのぞき続けるということだ。どんなに醜くても情けなくても、向き合わなくてはならない。」



自分の心の中、頭の中のことを形にして文章や絵にするというのは、とてもエネルギーがいる作業だ。何十年も週間連載を続けてきた三倉山先生だからこそ放つことが出来る深い言葉。




なぜ自分がこの言葉を思い出したかというと、改めてこの言葉が自分の心に刺さっているからだ。ラジオドラマ原案募集の記事を見て、経験も実績もない自分だけど「とりあえず挑戦だ!」と、遮二無二書き始めることにして数日。プロットを考え、頭の中にポツポツと浮かんでくることを、並び替えたり繋げたりして形にしていく作業は思った以上に難しい。今まで漠然と「書く仕事」をやってみたいと思っていたが、全然書けない自分に直面して、早々に行き詰ってしまっているのだ。



とにかく今は書いて、読んで、書いて、読んで、ひたすら繰り返していくしかないのだろう。ネタ帳に単語や短文の乱雑なメモばかりが増えていっているけれど、それを言語化する練習をひたすらやっていくしかないのだ。非凡な経験をしたわけでも、特段文章力があるわけでも、独特の感性を持っているというわけではないのだから。



とりあえず、漠然とクリエイティブな仕事をしてみたい、と思った原点を思い出したかったから、備忘録として書いてみた。(このドラマを見た当初は夫にやたら「クリエイティブ!クリエイティブ!」と言い過ぎて、ウザがられた。笑) 



重版出来は各回に名言があって、毎回泣ける。もっと紹介したいぐらいなのだが、最後にもう一つだけ。第8話、濱田マリさん演じる書店員・河さんが悩んでいた中学生の頃に出会った本、「100万オトメバイブル」からの言葉。河さんは個人的に大好きなキャラクター、私もあんな書店員さんになってみたい(単純)。


私たちはみんな見えない羽を持っている。立派な羽を育てたければ本をたくさん読みなさい。本の形は鳥の形。読めば読むだけしなやかな羽になる。そうすればどこまでも飛んでゆける。


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                      (TBSホームページより)

本の形は鳥の羽の形、まさに見えない羽。本をたくさん読むことで、しなやかに、どこまでも羽ばたいていけるのだ。本ばかり読んで学生時代を過ごした自分でも、「大丈夫だから。」と肯定してくれるような、ぽかぽか暖かいことば。(そして何が凄いって、この漫画の執筆、いくえみ稜先生なんですね。すてきだ。)



とにかくクリエイティビティが刺激されるこのドラマ。そして自分自身も、自分のこころの中をのぞき続ける覚悟を持とうと、そんなきっかけを与えてくれる素敵な作品だ。まだ観た事ない方は是非に。





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