【書評】つまらない住宅地のすべての家/津村記久子

設定の妙。
住宅地は鎖で繋がっている。
刑務所の独房が横に連なっているかのように。
脱走犯?凶悪犯?
勝手な判断で戸惑う人々。
夫婦、家族、親戚、兄弟
いろいろな関係性のなかで
本当に何が正しいのかを突き付けられた。
犯罪を犯した人が、
市井の人を次々に救っていくような感覚。
気の持ちようで
住宅地も刑務所になるのかも。