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対コロナウイルス論 ⑧一緒に泣く誰か⑵復興

この連載では、新型コロナウイルスCOVID-19に対して、私たちがどのように立ち向かっていけばいいかを考えていきます。

前回は、医療の問題について考え、自他の命を守るために、どの方向に力を向けていくべきかを自問しなければならないと書きました。

今回は、経済の問題について考えていきます。当然、経済においても、協力は欠かせません。

この危機において、飲食業や観光業など世界中の様々な種類の業界が経済的な大損害を受けています。この損害はさらに拡大していくでしょう。この嵐が過ぎ去った後、僕たちはどうやって日常を取り戻していくのでしょうか?政府はいろいろな金銭的救済を試みていますが、資金は足りるのでしょうか?

間違いなく、全世界が自国の力だけで経済を立て直すことは不可能です。

日本だけなら何とかなるかもしれない?そう思うのなら、皆さんの身の回りを見てみてください。海外で作られているものがどれほどあるでしょうか?表記の有無にかかわらず、僕たちの生活を支えているものには日本製ではないものが多く存在することに気づくはずです。日本だけが無事ならばいいという問題ではないのです

経済的な連携を行っている多くの国が被害を受けています。それらの国も立て直すことに成功しなければ、日常は戻ってこないといえます。なぜなら今は、江戸時代ではありません。世界はグローバルな単一の存在になりつつあります。

自国民を保護するのであれば、自国にいる外国人にも他国にも積極的に援助をしていかなければなりません。皆さんがナショナリストであろうとグローバリストであろうと、全世界的な協力は欠かせないのです

経済を立て直すために、「マネーロンダリング」などが実行され、今まで眠っていた金が動き出す可能性もあります。こうなると、富裕層と貧困層の割合の違いによって、復興の格差が生まれます。しかし、世界中の国が復興に成功しなければ、日常は戻りません。ここでもやはり、世界的な協力は欠かせないのです。そして、協力のもとになるのは信頼の精神に他なりません

皆さんは自分に協力してくれない人に協力したいでしょうか?銀行が収益の見込みが見られない企業に融資を行わないのと同じように、皆さんも信頼できない人に協力しようと思いますか?。もし、緊急事態で協力し合う以外にどうしようもない場合でも、それは本当の協力になるのでしょうか?

僕たちは見ず知らずの人に信頼されるために、見ず知らずの人を信頼する必要があります。勿論、悪意のある信頼に値しない人もいます。その種の人を見抜いて、信頼できる人とともに戦っていく必要もあります。

皆さんの多くは、人が泣いているのを見て笑って喜ぶ人には、協力したくないと感じるでしょう。反対に、泣いている人がいれば一緒にそばで泣いてあげる精神を持った人なら協力したくなりませんか?

一人では負けそうなことも、一緒に泣く誰かがいれば乗り越えられます。

この記事のまとめ

この嵐が過ぎ去った後(この書き方は些か不謹慎かもしれませんが)、日常を取り戻していくためには、グローバリストもナショナリストも世界規模で協力していかなければなりません

僕たちは、見ず知らずの人に信頼されるために、見ず知らずの人を信頼しなければなりません。勿論、すべてを鵜呑みにせず、一度疑ってみる必要もあります。

次の記事は、この連載の最終回になります。最後の一文で「おや、このフレーズは?」と思った人もいるかもしれません。その謎を解きながら、今、何が起きていて何を求められているのかを考えていきます。よかったら読んでください。

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