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対コロナウイルス論 ⑤アップグレード

この連載では、新型コロナウイルスCOVID-19に対して、私たちがどのように立ち向かっていけばいいかを考えていきます。


前回は、僕たちのデータベースは極めて断片的なものであり、その質を上げるためには、自分とは縁の遠いものや反対の意見も取り入れる必要があると書きました。

縁の遠いものや反対の意見を取り入れるために欠かせないのが、 協力 です。自分一人で良質なデータベースを形成するのが難しいのであれば、誰かの手を借りる他に方法はありません。僕が、第2回の記事で積極的に情報を発信していくべきだと主張したのはこのためです。

対立する意見を主張する人とは、敵対関係にあることが多いと思います。意見が合わない人と、仲良くなることはなかなかありませんよね。結婚の条件に「気が合う人」を入れている人も多いでしょうし、皆さんの友達といえる人の多くは、皆さんと感覚が近い人なのではないでしょうか。自分と馬が合う人と一緒にいたほうがラクだし、楽しいものです。

ですが、この際、そんなことは言っていられません。相手と政治思想が一致するか、同じ神を信じているか、同じ理想を持っているかで敵か味方かを決めてはいけません。政治思想が真っ向から対立し、どうしても気に食わないのであれば、コロナウイルスの嵐が過ぎ去ってから徹底的に議論すればいいだけのことです。

今はとにかく、

世界中のありとあらゆる人と協力しなければならない

のです。

手に入れた情報は独占しないでください。情報の独占は、分裂しか生み出しません。「A」という情報を基に「a」と考える人の下には、同じような思想「a’」を持つ人が集まってきます。同様に「B」という情報を基に「b」と考える人の下には、思想「b’」を持つ人が集まります。この二つの派閥がそれぞれ自分たちが持っている情報や思想を独占したら、二つの派閥は分裂していきます。しかし、ここでこの二つの派閥がそれぞれの情報を共有すれば、「a+b」という考えが生まれ、「a’+b’」という思想集団が形成され、より多くの人が効果的に協力できますよね。弁証法の原理のようなものです。

このように、情報を積極的に共有することはとても大切なことです。よく、勉強の時、教えると理解が深まるといいますよね。情報をアウトプットすることで自分の考えが整理されるからです。「教える」ことは、教わる側だけでなく、教える側にも有益です。

自分が手に入れた情報を積極的に共有する。自分はアウトプットによって考えが整理され、データベースがアップグレードされる。そして、その情報を見た人が自身のデータベースをアップグレードさせ、また新たな情報を発信する。それを見たまた別の誰かがその人自身のデータベースをアップグレードさせる。そしていずれ、この連鎖が回って自分に戻ってくる。

このサイクルの中で、世界中の人が同時にそれぞれのデータベースをアップグレードさせていき、全体で少しずつ力をつけ様々な権限を獲得していければ、なんと素晴らしいことではないでしょうか!僕がブログやSNSを始めた理由も、このサイクルを実行していきたいと思ったからに他なりません!

SNSが普及して、通信技術が飛躍的に発達した現代なら、不可能ではないはずです。あらゆるテクノロジーや監視技術は、僕たちのデータベースがいかに断片的なものかを自覚させ、どの種の情報が不足しているのかを知らせ、情報共有を促すために使われるべきだと僕は考えています。

この記事のまとめ

データベースの不完全性を補っていくために、情報の積極的な共有は極めて重要です。僕たちは、

情報共有のサイクルの中で世界中の人々がそれぞれのデータベースをアップグレードさせて、力をつけていくこと

を目指すべきです。

次の記事では、十分な情報を得ることの重要性をさらに考え、情報を共有する際に注意しなければならない点を考えていきます。よかったら読んでください。


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