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ミステリーを読みたくなった話

本屋大賞ノミネート作

4月6日(水)に本屋大賞が発表される。本屋大賞は、毎年楽しみにしている賞の一つだ。これまでの受賞作には、小川洋子著『博士の愛した数式』、恩田陸著『夜のピクニック』、リリー・フランキー著『東京タワーーオカンとボクと、時々、オトン』などがあるが、どれも良かった。最近だと瀬尾まいこ著『そして、バトンは渡された』、凪良ゆう著『流浪の月』、町田そのこ著『52ヘルツのクジラたち』が記憶に新しい。今年の大賞に輝くのはどの作品だろうか?2022年本屋大賞ノミネート10作も興味深い作品ばかりだ。私はその中から、知念実希人の『硝子の塔の殺人』を手に取った。

誰にも真似できない

上質なミステリー作品を読んだ。そんな感想を持った。本作はいわゆるクローズド・サークルものである。登場人物は館の主人、刑事、料理人、医師、名探偵、メイド、霊能力者、小説家、編集者、執事の10人。もうそれだけで面白いではないか。読み進めて行くうちに、物語はびっくりする方向に向かっていく。決して冗談なのではなく、天と地がひっくり返るくらい物語は展開(転回?)していく。どんな結末になるのか気になって、ページをめくる手が止まらなくなり、文字通り寝る間も惜しんで読み切った。途中、作者の頭が良すぎて、ミステリーマニアすぎて、ついて行けなくなるところもあった。置いてけぼりをくらった。そんな感覚も心地良かった。誰にも真似できないような凄まじい才能をこれまでかというくらい見せつけられた。

ミステリーは面白い

本作は王道ミステリーなのだと思うのだけれど、ミステリー案内というメタ的要素も孕んでいると思われる。紹介されるミステリー作品は古典から現代まで幅広い。本作を読めば、アガサ・クリスティエドガー・アラン・ポーアーサー・コナン・ドイルエラリー・クイーンなどを読みたくなるだろうし、島田荘司綾辻行人有栖川有栖米澤穂信などを読みたくなるだろう。世に出ているたくさんのミステリー作品を読み漁りたいと思った。ミステリーは面白い。


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