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#29 〈金地金編〉売り手の情報に虚偽はないか

金地金に関する情報は金地金そのものに刻印されています。この投稿の見出し画像のような感じです。

昔のアニメに出てくる金の延べ棒のなかには何の刻印もされていないツルツルしたものがありますが、それでは品質が分かりません。市場で購入する金地金にはそのようなものはないと考えていいでしょう。

証明書のようなものによる品質保証だと書面を紛失することが考えられます。しかも金地金は同じ形をしているのでチェックするのが大変です。

刻印による品質保証であれば書面を別に保管する煩わしさがありません。非常に合理的でわかりやすいですね。


刻印の情報に虚偽は無いか心配する向きもあるかと思いますが、基本的にそのようなことはないと考えられます。

なぜなら、品質を虚偽表示しそれが表沙汰になった場合、その金地金を購入する買い手はいなくなってしまうからです。

金(ゴールド)の精錬には高い技術力が必要ですが、高い技術力をもつ精錬会社がつくりだした金地金の間に大きな品質の差があらわれることは考えにくいことです。この点、精密機械などと異なります。

品質に差がほとんどない世界では信用が大きくものを言うことになるでしょう。そのような環境において、信用を著しく害するようなリスクを冒してまで虚偽表示をするメリットはありません。


とはいえ表示に偽りがある可能性は全くないとも言えません。それは、悪意ある第三者が社会的信用のある精錬会社の刻印と同じものをニセモノに刻印するというケースです。

このようなケースでは刻印で金地金の品質を見極めることは困難です。これを防ぐためには社会的信用のある精錬会社の直営店や特約店などで金地金を購入する必要があります。

明日なくなっていても不思議ではない、見るからに怪しい店で金地金を購入することは絶対に避けましょう。「今なら市場価格の3割引きで金地金を購入できるよ」などという場合はニセモノと考えて間違いないでしょう。




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