『ザ・ゴール』(コミック版)


手に取った背景

今や古典的名著とでもいうべき『サ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット原作、岸良裕司監修)3冊を、コミック版で読みました。
岸良氏がセミナーに登壇した際に書籍の紹介があり、懐かしかったのと、かつて理解が深まらなかった悔しさのような感覚もあって、お手軽なコミック版でザっと読みしました。
雑な読み方でも考え方のキモをしっかり押さえられること、登場人物や状況設定が具体的で自分の仕事にまで直結できたのは、コミック版のありがたいところですね。
仕事に近いザ・ゴール3から順に遡って読んだ結果、最後になってようやく3冊全体を俯瞰できました。

ストーリー仕立ての制約理論TOC

リアルなストーリー仕立で制約理論TOCを分かりやすく説明しています。第1巻は「スループット・在庫・業務費用」と「ドラム・ばバッファ・ロープ」をキーワードに工場経営を立て直すシナリオ、第2巻は現状問題ツリー・未来現実ツリー・移行ツリーで現状把握と課題解決を進めるストーリー、そして第3巻はルール変更とDXで危機を脱出する話。
結局、作者の意図は、”良かれと思ってやってきたことが実は制約になっている”という警告であり、”会社経営や工場オペレーションを俯瞰するとこれまで思ってもみなかった方法が解決策になる”というアドバイスだと受け止めました。

翻って現状は?

製造業でDXの社内旗振り役のような役回りを演じているのですが、読後は反省しきりでした。例えば、部分最適に走っていたり、デジタルツールの導入だけにFocusしてしまったり、予算取りや成果の出やすいテーマ選定に走ったり。ジョナ先生から叱られそうなことばかりです。
そうなってしまう内部事情はいろいろあるけれど、妥協し過ぎて何も進まない状態を繰り返している、、、そんな負のサイクルからはそろそろ脱却したいところ。

まずは目線を切り替えることから

やるべきことは、経営を俯瞰的に捉え全体最適を標榜し続けること、そこをブラさずに言語化して理解者を確保したうえで、その時々の事情に応じてスモールスタートと成果のチリツモ作戦で仲間を増やすこと、自分で納得。
とりあえず、”会社のため、日本のとある製造業が一歩前進するため、明日から思い直してやってみよう!!”と、比較的短い時間で自分の目線を切り替えられたことが、『ザ・ゴール コミック版』3冊の最大の収穫でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?