電話代行業者について(専門業者の必要性)

はじめに

 事務所の郵便受けに士業事務所専門の電話代行業者の勧誘DMが入っていました。私が利用している業者と比較して基本料金が4倍くらいしました。この金額が士業専門の業者として高額なのかはよく分かりませんが、私は普通の電話代行業者で特に不自由していません。独立に際して、または、事務員の負担軽減に導入を検討している方も多いと思いますので、7か月利用した感想を記載します。

私が利用している電話代行

CUBEを利用しています。電話代行で検索すると割と上位に出てくるので知名度は高いと思います。法律事務所での導入実績も結構あるようです。対応の仕方(例「キモオタ法律事務所です」)を指定できるほか時間外のアナウンスも設定できます。また、最寄駅からの道案内、周辺の目印などを伝えて簡単な道案内をしてくれます。事務所の番号にかける→電話代行に転送される→私の携帯(設定で変更可能です)に電話代行から連絡が来る→出るなら転送されるという流れになります。電話代行からの転送は最初担当者が出ます。誰からの着信か、どのような要件か、ココナラやアシロを経由していればその旨も伝えてくれます。
 外出中などで電話に出られなかった場合はメールなどで内容と連絡先を伝えてくれます。メールはよほどの長電話でない限りは通話が終わって数分で送ってくれます。ただし、1回だけ30分位後にメールが来たことがあります。オペレーターもキモオタ法律事務所だけを担当しているわけではないでしょうから電話が重なったりタイミングが悪いとこういうこともあると思います。この7か月間180件くらいメール報告を貰って電話の直後に報告がなかったのはこの1回だけです。どんな長電話なのかと戦々恐々としていました。
 メールにはその電話を対応した人の名前が書いてあります。ざっと見返した限り10人くらいいますが、電話代行業者のオペレーターが10人とも思えないので、この10人くらいがキモオタ法律事務所(と他の何社か)を担当しているということだと思います。記憶にある限りでは全員女性です。
 また、委員会の出欠確認の電話に対して「欠席します」とか、やりたくない分野の相談の要件に対して「対応できない」などの簡単な伝言もお願いできます。また、完封負けして負け惜しみを言ってくる相手方本人など取次しなくていいという指定もできます。
 料金は一番安いプランで月額1万円+通話料+51回目以降1回について300円です。現時点で最高額が2万円ぎりぎり超えたくらいです。弁護士複数いたり、交通事故を多くやってたりすると電話かけてくる人が多いので高額になると思います。なお、2か月連続で100件を超えると自動的に月額25000円のプランに移行します。こちらは100件まで基本料金でカバーされるようです。上記計算式で月100件だと丁度25000円です。月20日営業で毎日5件電話が来るなら最安プランはすぐに終わりますね。私の場合1日5件以上来ることももちろんありますが来ないときは1日1件とかなのでまだしばらくは最安プランで行けそうです。

専門用語の理解など

 完全ではないです。ただし、支障はないです。メールでの報告を見て、審判移行がカタカナになっていたり、事件番号のワとかが聞き取れていないとかありますが、私が一読して補完・理解できる程度です。メールの伝言を見ても何言っているかわからないときは相手が意味不明な時だけです。軽く見返したらなぜか請書は聞き取れていました。この業界以外でも使うのでしょうか。
 一例を出せればいいんですが専門用語が含まれ、かつ守秘義務と特定の両方を回避できるものが見当たらず難しいです。

どこの業者にするべきか

 日本語話者からの電話のみを想定する場合、CUBEで重大な問題が発生することは恐らくないと思います。聞き取りの点もそうですし、対応についても、一応裁判所やら市役所やら同期から電話が来た際に、数名に電話対応どうですかと聞いてみましたが特に問題ないとの回答でした。
 CUBEの弱点を上げるのであれば、お盆と年末年始は休業、平日日中のみの対応です。休日夜間にも電話に出たいという場合には転送設定をいじって自分が出られるようにしたり、極端にいえば24時間対応できる業者を探す必要があります。また、電話代行一般の問題と思われますが、複数回転送を挟むため通話料がかさみます。
 電話代がかさむと言っても事務員を雇用する費用とは比較になりません(事務員の仕事は電話対応だけではありませんが。)し、私は年がら年中電話に出る生活は嫌なのでCUBEに不満はありません。お盆や年末年始もどうせ休みます。
 訴状の補正など長い上に専門的な伝言が全く理解できない場合などはあり得ますが、電話全体に対する割合はかなり小さいですし、どうしてもわからなければ折り返して聞けばいいのです。補正されない訴状を書け?うるさいですね…
 ドットコムをはじめとして士業対応や専門を謳う電話代行サービスもありますが、簡単に調べた限り費用が高額になる傾向にありますし、CUBEで困っていないので現状特にメリットを感じません。私も最初は専門用語とかあまりにダメだったら解約して専門のところを探そうかなと思っていましたが全く問題ありませんでした。CUBEが倒産しない限りは事務員を雇用しても利用を続けると思います。事務所に来る電話は究極的にはすべて自分あてなので一次対応が事務員でも代行でも特に変わらないですし。しいて言えば事務員にだけ横柄な輩を見抜くことができないという点がデメリットでしょうか。

おわりに

 電話代行は本当にお勧めです。ワンオペ事務所をやるうえで必須と言ってもいいと思います。電話対応を丸投げできるだけで事務員の雇用をかなり先送りできると思います。
 裁判所への証拠等の提出もオンライン秘書とかで外注できないかなと思ったのですが、簡単に調べた限りだと物理的な紙を伴う作業をやってくれるところはなさそうなのでこれが許容範囲を超えたら事務員を雇用することになると思います。mintsが普及するのと私の許容範囲を超えるのどちらが先かのチキンレースです。なおmimts未経験です。


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