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つられた、とも言うけど、寄り添った、のかも?

マイペースさん、は、いる
たいがいいる。
毎年いる。

集団生活ができるような年頃になってくると
マイペースさんは目立ってきて
仲間からも
「いま、それじゃない!」
「ちがうよっ!」
とピリっと指摘受ける機会が増える。
大人から叱られるより
仲間からのほうが伝わる、みたいな時もあるけど
ハゲシめの言い方続くと仲間とはいえしょげるし
こうやって社会の中で肩身が狭くなっていくのかー
となんとも言えない気持ちになるときもある

時々は介入して
「伝えてあげてくれてありがとうね。
 もう少しやさしく言うともっといいかも。
 先生がどきどきしちゃった」
と指摘した仲間に言ったりするけども
そちらも加減ってのは難しいお年頃だし。

先日の活動中。
自分の背の長さの紙メジャーを作った。
みんなは、メジャーに絵を描くことに夢中。

マイペース氏は
私が用意したゾウさんの鼻の長さのテープと
自分とどっちが長いかなーと
「ボク、比べてくるよ」
と立ち上がった。

その時間は、枠組みはふんわりしておいたので
描いてから比べてもいいし、
比べてから描いてもいいし
絵だけ描いていたい人もいていいし。
本人の中で問いが湧いたタイミングで
動いてくれて問題はないように設定している。
つもり。

他の人は
チラッと離席する彼を見るが
何か指摘が入ることはなかった。

「ゾウの鼻のほうが長いね」
なんて、並べてみて独り言のような、
話しかけるような感じで座り込むマイペース氏。
そこへ
「ボクも!」
ともうお一人様加わってきた。

そして
自分の分をゾウさんの鼻のスタートのところに
並べるのでなく
マイペース氏のメジャーの続きに並べた

「ほら!
マイペースくんのとぼくのとつなげたら
ゾウさんのお鼻と同じくらい」

長さ比べに興味が湧いたんだな、
マイペース氏に刺激されたんだな、
と彼の行動を見ていたけど
それもあるだろうけど
もしかして、あなた、
マイペース氏がひとりぼっちにならないように
仲間になりにきたのかい?
そんな無意識もはたらいている???
そんな考えがふっと浮かんだ。

二人してなにか話すわけでもないし
マイペース氏はふーん、みたいな感じで座り込んでる。
そして
それぞれの席に戻っていった。

ゆるやかな、
ささやかな、
共有する体験。

こういうささやかな時間に
助けられたりすることあるんだろうな
と見ている私がなんだかほっとする瞬間だった。


この行動は
いろんな捉え方されると思う。
振り返りで
園の先生は
「あとから参加した彼は
なんかマイペース氏のこと好きなのか、
よくつられて一緒になんかやってる」
と評していたけども
その先生も
「なんかやさしいんですよね。加わってあげるみたいな」
とも言ってたから
困った、だけじゃなくて
そこにあったかいものも感じているんだろうな。

きちきちの段取りにしていたら
なかなか見えにくいことかも。
ゆるやかだから
子どもたちの自主的な動きというのが
たちのぼってきて
それが好きなんだなと再確認。

あとは私がどこまでその場をホールドできるか
っていうね。
担任の先生の力も借りながら
やっていこう〜。

#幼児とアート








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