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学習の本質を考える「手で見るいのち−ある不思議な授業の力−」

柳楽未来さんおいう方が、筑波大学附属視覚特別支援学校の取材を通して、学習について考察された本です。
教育に関わる、学校教育だけではなく家庭教育や会社での教育も含めたさまざまな方に読んで頂きたい一冊です。
教育を受ける方にも読んで頂きたいです。
もはやみんなですね。
日本では教育を受けるのは当たり前になっていますが、そうではない状況から見えることもあると思います。

中心となる話は、俗に「つくば盲」と呼ばれる視覚障害者が全国から集まる附属学校の、中学生物の授業です。
知識を詰め込む形式ではなく、考え、自分の意見をまとめ、察する力を育てるような教育の形です。
そこから、視覚障害者と理科教育の厳しい話にもつながっていきます。

窓際のトットちゃんもそうでしたが、こんな学校に通いったかったと思わずにはいられない楽しそうな授業です。
自分なりに考察ができるようになるというのは、一生涯においてとても大切な力だと思っています。
現在の集団教育ではそうしたことをなかなか身につける機会が少ないので、すごいなあと思い、どんどん引き込まれていきます。
つくば盲の卒業生の中には東大進学者もいると聞いたことがあるので、こういう授業を受けていると地頭が良くなるのかしら?なんて思います。
こうした授業は一朝一夕に出来上がったものではなく、多くの人の努力や悲しみがあってこそという背景も丁寧に書かれていて、学べることのありがたみだったり、求める人に教育の機会を開く重要性も考えさせられました。
学ぶ目的や、本質にも目を向けさせてくれる一冊です。
障害者に接したことがない方にも読んでいただけると、少しだけ世の中の見え方が変わるかもしれません。

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