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ふありの書斎
2024年2月2日 08:37
まふゆは、まりんの身体をそっと離すと、『…でも』と口の中で呟く。 まふゆは口ごもり白銀の少女を見つめる。もとは、美しのであろうその肌は薄汚れ、顔を見れば生気のない虚ろな表情。アクアマリンの眸もどこか、生きることを諦めてしまったような…光の差さない色に思える。 身なりは、ツギハギだらけの薄汚れたワンピースに靴擦れを起こしている、サイズの合わない木靴。か弱い木を連想させる少女の肢体は栄養不足
2024年2月3日 05:08
「…ん」 まふゆが目覚めると、ベッドの横の出窓から、オレンジの夕焼けが眩しく、その輝きが差し込んでいた。 暫くボーッと夕焼けの光を浴びていると、光が強いのか隣で小さな寝息を立てるまりんが、規則正しい呼吸で眠っていたが、「んん…」と声を漏らし、目覚めた。「ん…ん…。まふ…ゆさん?」 焦点がなかなか合わず、まりんは眸をパチパチさせながら右手を伸ばす。その細い腕を掴み、自分の頬に当てにっこり微笑