ひたすらメインヒロインが愛おしくてたまらないゲーム《感想》ATRI -My Dear Moments-
こんばんは。
本記事はfrontwingさんから発売されているノベルゲーム「ATRI -My Dear Moments-」の感想です。
※後半にネタバレ感想有。
ネタバレ部分前に⚠️注意喚起⚠️あります。
このATRIというゲーム、かなり前から良い噂を聞いており、買って積んでいた。今回、同メーカーから「GINKA」という新作が出るにあたってプレイ読了。
結論から言うと...
やって良かったとおもう。
演出は高水準!アトリがかわいい!
スチルが綺麗で満足感がある!良作!
□感想
アトリ、愛おしい.....
読了後、たしかにこう思った。
実はというと、
序中盤では確かにとても可愛いし良い子だが、良い設定を持っている割には深く入ってこないなという感じだったものの、
中盤の"あの出来事"から、アトリの捉え方が少しずつ変化していった。
終盤、読後はああ...こういう気持ちになるってことはアトリ...愛おしいんだよな...とまるで自分の気持ちを初めて自覚した奴になっていた...🦀
タイトル通り!
アトリという子が気に入ったら、このゲームは化けに化ける!!ただただそう思う。
少し気になる点も二つ挙げる。
まずは、アトリ以外のキャラクターの掘り下げがかなり少ない点。そこが懸念点、物語にかなり関わってくる人物の内面の描写などが少なく、モヤッと思うシーンはあった。
二つ目には世界観やロジックの説明が少なめなので、気になる人は気になるところが出てくるだろうという点。個人的には些末なこと。
しかし総合的にはシナリオも読みやすいし、スチル、音楽がなにより素晴らしいと思う。
美しく和やかな雰囲気が上記の要素と噛み合って、ノベルゲームの敷居を滑らかにし、咀嚼しやすい良い作品になっていると感じた。
初心者向けという噂にも納得のものだった。
あとは終わり方が抜群に嬉しいという訳ではないが、アリな終わり方だったと思う。
読後感は良いものだった、読後に湧き上がる感情は、実りあるものかなとも。買って損はしない。
ここから🦀⚠️ネタバレ有の感想⚠️🦀
□いったい水菜萌はどう思ってるんですか!?
これは言いたかった。これをもう少しだけ書いてくれるだけでTRUE ENDには色んな感情が織り交ざる。
もちろん作中でも夏生に恋心を持っていると書かれていたが、そういった描写はかなり少なく、その要素がステータス的なものに感じられてしまった。もったいない...
アトリがメインヒロインなので書きすぎるとコントロールが難しいのはとてもよくわかる。
□竜司は、いいやつ。
竜司とアトリの別れのシーン、良かった。
竜司はひたすらにいいやつ。ダークサイドを一切見せない聖人だったな...
□凜々花は、いい子。
好奇心旺盛で純粋で、宝石のような子です。
応援したくなる。未来への可能性を信じる少女、それだけで素敵なのに、TRUE ENDでは大成しているとの事。嬉しい。
□幸せになってくれアトリ...
ヒューマノイド、機械なのにこんなに感情豊かなんだな。すげぇや、と私は油断していた。
そんな私を消し炭にする機械的なログ......
「アトリ...おまえ...そんな...」声が出そうだった。
しかし、徐々に機械的な喋りでも愛おしく、たとえ感情がなくとも、そんなことはどうでも良いように思えてきていた。
結局、なんやかんやあって感情があることが判明し、なんか感情に敏感な超かわいいヒューマノイドが誕生した。
しかし、無情にもやってくる最後の日。
光が灯る町をアトリと見るのは感無量だった。
「地球に私も含まれますか?」
もう地球よりアトリを救いたいよ......
初見時は、呆然と進めてしまったシーンだが、読み直すと苦しくて苦しくてなかなか進めなかった。
本当にこれでアトリとはお別れなのか...?
これでもう、アトリは戻ってこないのか...?
エンディング後ずっとそう呟いていた。
その後呆然とタイトル画面を眺めつつ、
一番心に来たシーンのあの機械的な喋り方の時代、涙の滲んだログを思い出し、苦しかった。
少し経ってTRUE ENDへ、エデンが沈むという知らせを聞いた時には、堪えた...耐えられない...
(ずっと耐えられていない...)
締めに向かうシナリオ、アトリと夏生は昔の姿のまま、60年前に残した長い一日を過ごすのだった。
このエンドは苦しくも優しいもので、甲乙つけよと言われると難しいと思っていたが、時間が有限なら、最後に素敵な人と一日を過ごせるというのは至上の幸せなのかもしれないと、今はとても良い読後感を感じる。
未来に夢見てというよりは、今日を生きている町の人々、そして夢半ば挫折し町に逃げ帰った主人公。
そんな人達にたった44日間で夢を追いかけさせたアトリに、心動かされるお話だった。
□さいごに
公式HPでも書いてあるけれど、アトリの言葉の中に
「わたしが夏生さんの足になります!」というものがある。
このセリフは片足を失った主人公に対してアトリ自身がの言葉なのだが、今物語全体を思い出すとこの言葉に心をグサグサと突き刺された。
健気でけっこう生意気で、やたらとかわいいヒューマノイドの少女、アトリは作中で多くの役割を担うキャラクターだった。
「アトリは○○にとっての○○」の○○に当てはまる役割がいっぱいある。
夏生にとっての恋人でもあるし、主従のヒューマノイドでもあるが、一言でまとめるならば"夏生の足"に収束したのかと思う。
自身はエデンに身を沈めても、
退廃的な沈みゆく世界で、生きる人たちに希望を人知れず与えた。
なによりその希望を開発に寄与する夏生に力を与えたアトリに、ありがとうと伝えたい...
🦀...いっぱい食ってほしい...
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