ブルーセーバーズ 双葉編2話 計画
私の名前は双葉武人。昼は弁護士、夜はローウィザードというヒーローとして仕事をしている。今回はローウィザードとしての私から話が始まる。
私はいつも通り法律で裁けないようなグレーゾーンの犯罪者を懲らしめていた。こうすることで少しでも犯罪の抑止になればいいなと思っていた。だがあつ犯罪者を捕まえた時、こんなことを言われた。
「お前みたいな魔法使いに捕まるなんて一生の恥だ!まだセーバーに捕まった方が良かったぜ。」
この世界では魔法使いが差別されている。するとどこからか石を投げられた。
「魔法使いは出ていけ!」
「お前みたいなヒーローはお呼びじゃないんだよ。時代は科学だ!」ここはスラム街で治安が悪いのは分かっていたがここまでとは。俺はひとまず家に帰った。
次の日、私が弁護士として働いていると、FBIからの使者が来た。仕事の依頼とのことだ。
「弁護士の間は仕事はしない約束でしたが。」私がそう返しても、どうやら緊急の用らしいので私はしぶしぶ仕事を承ることにした。仕事の内容は、地球に潜伏している異星人を倒せとのことだった。突然の突拍子のない話に私は思わず聞き返した。
「異星人だって?本当にそんなものがいるのか?」
「その次元の話はこちらで解決済みです。」使者は丁寧に返す。
「私なんかより、新しいセーバーとかいうやつに頼めばいいんじゃないのか?」私はつい皮肉を言った。
「はい。彼は表沙汰になりすぎているので我々の任務とは相性がよくありません。」
「そうですか。」私は無愛想に返事をして仕事に取り掛かった。
FBIに指定された場所はくしくも、昨日私がいたスラム街だった。私はそこに入ると、さっそく石を投げられた。だが私はそれを意に介さずに仕事に取り掛かった。どうやら異星人には地球人と異なる血液を持っているらしい。それを判別する機械を支給された。要は1人1人スキャンして調べろとのことだ。
さっそく1人目をスキャンしようとしたが、拒否されてしまう。魔法使いに協力する気はないとのことだ。別に急ぐ必要はないため、私は出直すことにした。今度は弁護士として来るか。
次の日弁護士としてスラム街に向かう準備をしながらテレビを見ていると、こんな速報が入って来た。例のスラム街で虐殺事件が起こったらしい。私は異星人の仕業だと思い、直ぐにスラム街に向かった。戦闘になるかもしれないと思い、コスチュームに着替えた。
スラム街に入ると、そこは凄惨な現場だった。私は恐る恐る奥に進んだ。すると物陰から数人の人がすがりついてきた。そして泣きながら懇願してきた。
「息子がエイリアンにさらわれました。助けてください。」
昨日まで私を拒絶してきたのはどこのどいつだよ。私はそう思ったが、互いの利害は一致しているので願いを受け入れることにした。
さらに奥に進むと、今度は瓦礫の下敷きになっている人がいた。それは昨日、私の調査を断った最初の人だった。私は瓦礫を魔法でどかした。
「大丈夫ですか。早く逃げてください。」
「俺、あんたのこと誤解してたよ。本当にありがとう。」男は走り去った。
ついにスラム街の最深部にたどり着いた。そこには人間の顔ではなく、顔が龍となっている異形の者がいた。「お前は何者だ!」私は威嚇した。
「お前はこの惑星の戦士か?」異常に低い声が私の恐怖心を駆り立てる。
「お前はこの星に不法侵入をしている。出て行ってもらおうか。」私が構えを取る。
「俺はドラゴニア星人のリュウ。お前では俺に勝てんぞ。」敵も構えを取る。
「グラビティション!」私はリュウに重力をかけた。私がかけられる最高の重力、地球の10倍の重力をかけた。
「なるほど。確かにこの地球からすればかなり重いが、我々の星ではこれが普通だ!」リュウの素早く重い攻撃が私に襲い掛かる。私は防御魔法で防いだが、すべての衝撃を受けきれなかった。
「俺は地球人の子どもが好物だが、お前は旨そうなだ。」そう言ってリュウが再び攻撃をする。
「どうした、防いでばっかじゃ俺には勝てないぞ!」
「そんなことは分かってる!」俺はリュウに攻撃魔法を繰り出した。リュウはそれをすらりと交わし、後ろの壁に直撃した。
再びリュウが攻撃をしてくる。私は再び防御をした。
「だがら、防御だけしても意味がないんだよ!」
「そんなこと私も分かってる。」私は全魔力を込めてリュウを壁に吹き飛ばした。
「こんな攻撃、俺に効くとでも…。」
リュウの後ろにはさっき私の攻撃魔法が当たった壁がある。私はその壁を破壊して瓦礫をリュウにぶつけた。
「意味のない攻撃は止めろ!」リュウが立ち上がろうとする。だが、私は瓦礫のすべてに10倍の重力をかけた。その瓦礫の重さと量でリュウは動けずにいる。
「くそ…。戦闘民族のこの俺が、お前のような田舎戦士に…。」リュウはそのまま意識を失った。
リュウの身柄はFBI職員が回収した。私が帰ろうとすると、先ほど私が助けた子どもとその母親が駆け寄って来た。
「今日は本当にありがとう。お兄ちゃん、今までごめんなさい。」少年が笑顔で言ってきた。
この笑顔が見るために私は頑張ってるんだ。私は少年の頭をポンとたたいて帰路に立った。
あれから1週間が経過した。例の異星人がどうなったかはFBIから連絡がこない。
「先生、お客様がお見えですよ。」神凪が私に話しかけてきた。誰だろうと思い、客を客間に向かえると、見たこともない人が入って来た。
「私は世界政府のトーゴ―だ。ある計画について話がある。」
「計画?」私は怪訝に思った。
「ああ、今回のように異星人が今後の地球の脅威となり得る。是非我々とともに戦ってもらいたい。」
ーTo be continued ー
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