次男のこと

3人兄弟で末っ子の次男は幼稚園の頃からほとんど手のかかるようなことがありませんでした。
友達もすぐできたし、勉強も人並みにできたし、運動神経に関しては人並み以上でした。
何より人に威張ることもなく、
そしてイライラ起こるようなこともなく、
穏やかな性格でした。
そんな次男は友達も多く他のお母さんからは、むしろ羨ましがられるぐらいの子供だったのです。

長男と長女は、人見知りが激しく学校生活を心配することが多かったのですが、次男だけはほぼ心配することがなかったのです。

3人の子どものうち、次男だけは人間関係に関して比較的楽に生きていけるだろうと母親としては思っていました。

そして集中力もあり勉強も人一倍でき、ガッツもあり良い成績をとっていました。
とにかく次男に関してはすっかり安心していました。

そんな次男でしたが大学生になってからは成績がギリギリで毎年進級できるかできないかとはらはらしていました
四年生の時は危うく1年卒業が伸びる状況でしたが、何度も追試験を受けて卒業はできることになりました。
就職活動もせずに卒業してしまったのです。

えー、そんな人いるの!
大学を出て就職をしない人って、そんな人がいるんだ。
それが自分の子供でした。
そのことは私にとって理解しがたいものでした。
本人が他に目標があって卒業後就職しないのならまだ分かりますが、卒業するために追試験を受けなければならないという理由で就職活動をしないという選択をする。
そんな浅はかな人間が自分の子供だったとショックを隠せませんでした。
しかし次男は決して引きこもりのタイプではないのです。
就職をしなければならないという考えは持っているようでした。
大学を卒業して4月からぼちぼちとネットで就活を始めました。

その後最初は外壁リフォームの営業の仕事につきました。飛び込みの営業を1日中やらされて3日でやめました。
次にファミレスに勤めました。をして、忙しいファミレスに働き始め、今度は何とか2週間続きましたがアルバイトの人たちのいじめを受けて退職しました。

その時は
22才の若者がとても続けることができないような。仕事を求められたことが、私には正直残念に思いました。
次男の無知が一番大きな原因ではありますが、息子でなかったとしても、世にある仕事が若者を潰すようなものであったことが残念なところでした。
しかし驚くほど無知な息子でも唯一褒められるところは逃げ足の早いところだったのではないかと思っています。
大学を卒業して、2つの仕事をにつきましたが、ヤバいと感じてすぐに退職しました。
本人としては頑張って働こうとしていたにも関わらず、仕事の選び方が無知すぎたとなぁ残念で仕方ありませんでした。
しかしどう考えても次男のバカさ加減が原因なのです。
その後次男が決心したのは、公務員試験を受けて就職しようといういうことでした。それを聞いた時、そもそも受験勉強は良い成績をとっていたので、一番有利な分野なのではないかと思い賛成をし、公務員試験の予備校の費用を出しました。

しかし、その後も次男のバカさ加減はエスカスレートしていきます

公務員試験を受けるつもりがあるのかないのか、わからないような日常生活を送っていたのです。
好きな麻雀も続けていたし、雀荘のアルバイトもやっていました。本気で受かるつもりがあるなら、麻雀はやめなければいけないということは何度か話しましたが、なかなかすっきりやめませんでした。
そして結局本人から公務員試験を受けることをやめると、もう一度就職活動をする、という申し出を聞いたのです。
さすがにこれを聞いた時、私としてはまたショックでした。
2度の就職に失敗して、本人から公務員試験を受けて就職することを決意したことを聞き、全面的に応援したいと思ったにもかかわらず、試験の時まであと3ヶ月という時になって、また振り出しに戻ったのです。
えー、うちの次男てこんなに馬鹿だったのか
全く何考えてるかわからない
本当に母としてはショックでした。
でもまた考え直しました。
本人はまだまだ成長段階なのだ。
何が自分に合ってるかもわからないで、就職しなければならない時になって突然大人になるわけではない、、
本人が何よりショックだし、悩んでいたのも分かっていたのだ。
もう私が何か指図して次男の就職先を考える立場ではない。
悩んで悩んで自分で自分の道を切り開いていくしかないのである。
次男は明るくガッツもある。
目標があれば目標に向かって頑張る力を持っている。
今は何をどう頑張ればいいかもわからないのであろう。
何をやってもうまくいかない。
自分がなによりなげいているのだろう。
すべては本人の問題なのだ。
私のショックなど関係ないのである。
本人がこのショックを乗り越えて、自分の力で次の一歩を獲得して大人になっていくしかないのである。
この先長い人生が待っている。
たくさんの失敗をして、たくさんのバカなことをして、
たくさん悩んで、たくさん傷ついて、そして這い上がるしかないのである。
きっとそれがこの先の楽しい人生につながるのだろう。
58年生きてきた母は確信している。次男よ、今の逆境を乗り越えて生きていって。
ただ応援してる

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