一年半ぶりに長男と会話する

ある日の言い争いから長男と会話が途絶えて1年半になります。
自宅の2階に生活していましたが、それからは
食事も一緒に取ることがなくなりました。
私としては長男の機嫌が治ることを期待して、朝仕事に出かける時や帰宅時など声をかけていましたが、一度も挨拶を返してくることはありませんでした。

そして私は
長男が同じ屋根の下で暮らしていると思うだけでストレスとなりました。
私は離婚をして夫との人間関係のストレスがなくなり、残りの人生をできる限り幸せに楽しく暮らしていきたいと思っていただけに、
新たな家庭内に発生したストレスは私の心の中に大きな暗い影を落としました。

長男は家族と口をきかなくなったのは、今回が初めてではありません。以前にも同じようなきっかけで、それ以降長男は一切家族を無視するようになりました。

長男はとてもデリケートな面を持っています。
そして気持ちが優しすぎるところもあります。
とても控えめなところを持っています。
たくさんの本を読みますが、人付き合いが苦手と感じています。
常に人にどう思われるかということにとても神経質です。

そして私自身は、
こんな神経質な面を持った長男を母親として賢く導いて育ててあげられなかったのだという後悔や
長男に遠慮する気持ちを持ち続けていました。

しかし
今回この何度目かの無視という長男の私への表現を
私はある時からストレスとして感じる割合がかなりなくなりはじめていたことに気がつきました。
無視という行動を受け止め始めたように思いました。
無視したいのなら無視すればいい
もう私には何もできることはない。もう私は何も悪くない。
長男に後ろめたい気持ちを持つ必要もない。
もう私は私の人生を生きよう。
無視をする長男はそれがありのままの姿であり、私は長男の人生を生きるわけではないのだから、長男の思いにもう責任を感じることは終わりにしよう。
そう考え始めたのです。

そう
もう私にできることは何もないと、
もう私は私に誰よりも優しくしてあげなければいけないと
もういいんだよ。と、もうあなたの子供は社会人として立派に仕事をし、大人になったのだから、
あなたの仕事は終わったのです。
たくさんの後悔を感じているかもしれないけれどもう終わったことです。
これからはあなたがあなたのために前を向いて、その瞬間瞬間自分のために幸せに生きること。
それがこれからあなたがあなたのためにやるべきこと。
そう
もう1人の私が私に話しかけてくれたのです。
同じ屋根の下に暮らす長男からの無視は続いていたけれども、私は以前のようなストレスや遠慮する気持ちや気を使う気持ちも半減していました。
そして長男自身からも以前のような私に対する怒りがなくなり、
私への無視を続けながらも
私に対する思いやりを少しずつ表し始めていたように感じ取っていました。

それが昨日突然電話があったのです。
長男の名前がスマホに大きく現れて電話がなっていたのです。
驚きました。
そしてすぐに何かあったのだなと感じ取って電話に出ようとしましたが、間に合いませんでした。
すぐにかけ直しましたが、留守電となっていました。
その後もう一度だけ書き直してみました。
その時にはすぐに切られてしまったので、こちらからかけ直すのはやめておいた方が良さそうだと思い、そのままにしておきました。
そしてまた今度は気づかないうちに3回電話がかかっていました。
どうしても話さなければいけないことがあればLINE を使うことができるはずなのに、なぜ電話だけなのかが気になることでした。
しかしその時も電話では取れないこともあるし、それでも必要ならまたかけてくるだろうとかけ直すことは控えていました。

そして夕方用事を済まして、家に帰ると長男はすでに帰宅しており部屋に入っていました。
もし話すことがあるなら向こうから言ってくるだろうとあえて私は聞きに行くこともしませんでした。
その時玄関モニターが点滅していることに気づき再生しました。
驚いたことにそこには長男と二人のおまわりさんが一緒に写っていたのです。

どういうことだろう。
何が起こったのだろう。
考えられたのは体調を崩して2人のおまわりさんに送ってもらったのだろうかとその時は想像しました。
しかし、それ以上のことは何もわからなかったし、本人も話してこないので大したことではなかったのだろうと考えるのを終わりにしていました。
そして、とうとうその瞬間が来たのです。
その朝方5時になる前だった。
まだ寝ている私の部屋の入り口で長男がボソボソと話し始めた。
その瞬間目を覚まし、私はすぐに
昨日はどうしたの?
何があったの?と尋ねた。

長男はすぐに昨日の出来事を話し始めた。
朝の出勤途中の駅の階段で肩が触れ合ったことで喧嘩をしたということだった。
そして会社には何も言わずに休みを取りほぼ1日警察で事情を聞かれ、調書を取られたということだった。
私に何度か電話をしていたのは身元引き受け人として迎えに来て欲しかったということだった。
衝撃の事実でした。
なんてことだ。
又長男の怒りが事件を発生させたのだ。
普段とても大人しい長男は逆にカッとしやすい面を持っている。
体がぶつかって何か文句を言われたことに長男が切れて言い合いになったのだろうと想像できる。
長男が私を無視するようになったきっかけも同じようなことである。
あの時も長男の言い分に対して私が怒りを持って反論したことに切れたのだ。
長男は自分が侮辱されたと思った時に切れるのだ。
おそらく普段人間関係の中で人から後ろ指を刺されることがないよう
侮辱されるようなことがないよう、真面目で、色々なことに神経を使いながら過ごしていることで、
いざ人から侮辱されたと感じ取った時には自分でもコントロールできないほど、怒りを感じてしまうのです。

今回は長男が怒りを爆発させたために、また再び長男と会話するきっかけとなったのです。
常に何かマイナスと思う出来事は実は大きな変化や成長のきっかけとなるのかなと思います。

長男にとっては試練の時ではありますが、きっと少しでも成長していくと思います。
そして私にとってはまた再び家の中でのストレスがなくなる幸せな時間をますます求めていける日々となりそうです。
残念ではありますが、長男は怒りを溜め込みやすいのです。
そのことがおそらく今後もトラブルを時々起こすきっかけとなるかもしれませんが、
それをトラブルと見るのではなく、本人の大きな成長の時となってくれると私は信じています。

私がこれから長男のために何かできるとしたら、長男にとってマイナスの面だと思う怒りの部分がむしろ長男を成長させる大事な面だと信じていることなのだと思っています。。

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