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コア・サテライト戦略は投資戦略ではなく金融機関の販売戦略

新NISAが始まってから、良くも悪くも投資に関する話題が増えている。そんな中、よく聞かれるようになった言葉に誰が言い出したのか出所不明の「コア・サテライト戦略」がアル。

上の画像のようにイケてる外資系コンサルタントが使いそうなネームだ。君も含めた日本人はこういったイカす横文字に弱い。

そして素直だし、オマケに投資初心者は投資をよく知らないのでイイ感じにカモされないよう気を付けた方が良いと思う。

このイケてるネームはWEBで検索すると以下のような定義が出てくる。他にも証券会社のHPに掲載されているが大体同じような説明だ。

コア・サテライト戦略とは、ポートフォリオ(運用資産)を守りのコア(中核)と攻めのサテライト(衛星)に分けて管理する運用方法です。一般的に、コアの部分はリスクを抑え長期的に安定したリターンを得られるアセットクラス(資産クラス)で運用します。サテライトではコアよりも高いリターンが狙える可能性があるアセットクラスに投資します。

引用元:不明

さらにいろいろ検索していくと証券会社や銀行、独立系ファンドのマネージャー、エコノミストなどが訳知り顔で解説してくれている。

それだけでなく、さりげなーくサテライトと言われる部分の対象を推奨してくれたりしているからとても親切だ。

その場合の説明はコアの部分をインデックスファンド、サテライトは個別株やアクティブファンド、高配当株を推奨していることが多い(インデックスファンドはTOPIXだったり、オルカンだったり、S&P500だったりイロイロだ)

それを受けてかYouTubeやブログで「自分のサテライト戦略はコレだ!」とドヤり気味に披露している投資初心者の人たちをチラホラ見かけることがある。

しかし投資の世界において長期でインデックスファンドに勝てるアクティブファンドは非常に少ない。

インデックスは市場平均に連動するという「平均」という言葉に惑わされてしまうが、以下記事のようにインデックスファンドの偏差値は72で真ん中の50ではない。

レベルの低い国産ファンドは言うに及ばず、ハーバードやMITといった世界の超一流大学を出て、なんなら博士号を持っているようなウォール街の住人でさえインデックスを超えるパフォーマンスを出すのに四苦八苦してイル。
※MIT:マサチューセッツ工科大学(米国屈指の名門校)

なのになぜNISAを始めたばかりの初心者が・・・
サテライトではコアよりも高いリターンが狙える可能性があるアセットクラスに投資します。

となるのだろう?

よほどの自信家で自分の学生時代の偏差値が75だから投資の偏差値も75だと思ってイルのだろうか・・
それならそれで問題ない(攻めたつもりが守りも含めた全体のパフォーマンスを落として後悔スルかもしれないが)。

あと・・攻めとか守りってナニ?
法人と違って多くの個人が所有する資産はせいぜい数百万~数千万程度だ。そのなかで守りの資産として預貯金や国債、保険、あるいは自宅を持ち、残りを投資に投じることが多い。

その人たちにとってはインデックスファンドだけでも相当攻めた投資のはずだ。それなのにさらに攻めるってどういうことかな?

そこで昭和な自分がイメージしてしまうのは以下のような画像。暴走族(死語?)の中でもイチバン攻めている特攻隊。サテライトはさしづめこのヒト達のことか…

出典:疾風伝説特攻の拓第42話

特攻隊は暴走族と言う集団の中では花形だが、事故や逮捕の可能性が一番高いポジションである。投資の特攻隊となって事故を起こさないよう祈るばかりだ。

ハナシが飛んでしまったが、問題なのは金融機関の口車に乗せられてなんとなくインデックスファンド以外もやらないと投資家じゃないとか、イケてないとか洗脳されて余計な商品に手を出すことだ。

個別株やアクティブファンドは各種手数料、つまりコストが割高になることが多い。販売側の視点からするとサテライト部分で手数料の高い商品を買ってもらいたいのだ。

ハッキリ言ってしまえば「コア・サテライト戦略」は投資戦略ではなく金融機関の販売戦略の可能性が高い。

もしどうしてもインデックスで我慢できない、ツマラナイというのであれば、それは「趣味」とか「勉強」あるいは「ギャンブル」の投資枠として定義しておいた方が無難だ。

もしくはパフォーマンスは落ちるがどうしても定期的な配当金が欲しいとか明確な目的がある場合にやれば良い。(そうであれば全部高配当株や高配当のETFに投資すればよいと思うが)

余計なお世話だと思うが、販売側の戦略にノセられて以下記事のように「自分のサテライト戦略はコレだ!」と披露している人たちを見るたびにワナにハマっていないか心配してしまう。

追記
君も社会に出ると出くわすと思うが、イカす横文字を駆使するアタマの良い人たちの言うことは注意して聞いた方が良いぞ。迂闊にホイホイ乗ると痛い目を見るかもしれない。

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