活動を理解していてくれる人を一人でも増やすためにも、繋がりを大切にするdaisy_saijo
この記事は後編です。
(前編はこちらhttps://note.com/modern_loris9942/n/n603e721087d3)
前編では課題も多い中活動を続けている理由についてご紹介しましたが、後編ではより詳しい活動について、現場での野良猫との向き合い方や活動の中での喜び、将来の目標についてお伺いした他、ZENを使用しての感想についても詳しく伺いました。
活動を通じて、理解して応援してくれる人とつながることができる
ー現場に行って、どんなことをするんですか
ツバキさん
ボランティアさんがどこまで作業が進めているのか、捕獲対象の猫ちゃんは人にどこまで心を許してくれてるか、距離感を確認することが中心です。
それによって、捕獲機の置く場所や捕獲日から逆算して、現時点でのアプローチをどうしていくのかを指示が出せるようになるので、その確認をしています。
確実に捕まえるために、その猫に合わせて捕獲の仕方を変えているんですよね。 人間目線で考えて、人間の都合のいいように捕獲しようとすると、猫は命の危険を感じているのでなかなか捕まえられません。
猫は人間と違い、今を生きる動物だと言われています。”今”ご飯が食べれるか、”今”生きていけるか、”今”快適かどうか、そのことに重点を置いています。なので、その”今”をどう接していくかが重要な課題です。
今は刻々と変わっていくので、それを確認して捕獲日に確実に捕獲できるようにこまめな確認が大切です。
この活動で出会う餌やりさんは、手術はできないけれど可哀想なので餌だけはあげている人も多いです。その人は、周りや市役所から餌をやるな、猫を増やすなと怒られていて、そもそも人に対しての警戒心が強い人が多いです。そんな人に、ぽっとでのボランティアをすぐに信じてもらうことは難しいです。
なので、捕獲日までにその人となるべく会い、その人の話を聞きます。
そういった、協力してもらうために話をすることも空いた時間を使って行うので、時間が足りません。
この活動は、対人活動と言われる方もいらっしゃるほど人と関わることが重要です。
野生の猫は、日本に2種類しかいません。なので、野良猫と言われてる猫ちゃんは、全て元飼い猫です。
猫ちゃんの運命は、周りの人や出会う人の考え方や行動によって100%変わります。なので、人に関わることが重要です。
ー活動していて嬉しいことはなんですか
ツバキさん
鈴木さんや森本さんのように活動を協力してくださる方と少しづつ繋がって、少しづつ
何かを頼めるような関係性の人が増えていくことです。
森本さん
猫が成長していくことではないんですか。
ツバキさん
猫は、乳飲子を育てて里親さんに繋ぐことができたことはもちろん嬉しかったですが、嬉しいというよりも肩の荷が降りた感覚の方が強いです。自分の手を離れた時はほっとしました。
森本さん
嬉しいことが活動していくなかで人との繋がりが増えたことなのは、意外です。
ツバキさん
活動を応援してくれる人は本当に希少なんです。
愛媛県の愛護センターも同じです。 活動を通して、1人でも愛媛県で推進している適切な飼い方を理解し、 実践してくれる飼い主が増えることが目的です。それによって、殺処分を減らし、野良猫・野良犬を減らそうとしています。
なので、私もそのことを理解してくれて、かつ活動を応援してくれる人は、本当にありがたいです。
全部1人で背負ってをやっていかなければいけないと思っていた活動だったので、そんな人と繋がれていることが嬉しいです。
ーこれからやってみたいこと、目標を教えてください
私たちは、愛媛県の殺処分ゼロを目標に掲げています。その中でも、まずは西条から 愛媛県動物愛護センターに送られる猫をゼロにするために、働きかけていきたいです。
そのために、地域猫活動の1つとして行っている、TNRというものに力を入れて行っています。Tがトラップ、捕まえる。 Nがニューター。手術をする、不妊去勢手術をする。Rがリターン、元の場所に戻す、です。
餌やりだけをすると猫は、増えていきます。しかし、外の猫ちゃんでも適切に管理を行えば、猫は増えませんし、よく指摘される糞尿被害もなくなります。 これによって、猫に地域という居場所を作ることができます。
猫は隠れるのが上手いので、普段目にする猫の3倍はいると思ってください。なので、餌やりさんが見てないところでご飯を食べに来る猫は、たくさんいます。そして、1匹の猫から生まれる子猫は、4〜8匹です。
1匹の猫を手術すると、生涯100匹の猫を救うことができると言われるほど、猫は爆発的に増えます。
なぜ、爆発的に増えていないように感じるのかというと、子猫が生まれてから生後半年までの間に事故や縄張り争いでの負傷によって、多くが命を落としてしまうからです。
居場所がないまま、すぐに亡くなってしまう子猫の命を1匹でも減らしたいので、避妊去勢手術をしましょうとみんなに呼びかけています。
場所さえあれば、お世話をする時間を作れる人もいるんですよ。なので、地域猫以外の居場所として、猫カフェを作りたいと考えています。
ーシェルターなどの居場所がある中で、なぜ猫カフェをつくりたいとおもったのですか
ツバキさん
今運営してる小規模シェルターは、愛媛県動物愛護センターの出身の猫だけを取り扱うようにしています。なぜかというと、他の猫に手を出すと、膨大な数になることは最初から分かっていたからです。
それでも猫カフェを作ろうとしている理由は、居場所のない猫の存在を知ったからです。殺処分や衰弱していくしかない、どうしても地域の中で行き場のない子がいるんです。
その子に居場所を与えることができたら、その子は生きることができます。 なので、猫カフェをやりたいです。
新しいシェルターではなく猫カフェなのは、やっぱりお金の面が理由です。
猫を一頭育てるにあたって、生後半年までの間に3万円ぐらい必要なんですよ。それを現状は、どこで賄っているのかというと、全国のボランティアさんが自腹でやってるんです。
自腹となると、みんな自分の生活もあるし、学生さんであれば学業があります。どこからお金を捻出するのかという話になるじゃないですか。
ならば、もう飼えないから保護してくれと言っている人から徴収したらいいという意見を出す人もいますが、そういう人がお金を十分に持っているとは限りません。
お金がない中で、 自分ができることは餌やりだけなので、不妊、去勢手術代は出せないけど、ご飯をあげてる人も多いんです。
その結果、いっぱい増えてしまうんです。増えたけど、手術をすることも風邪をひいたときに病院に連れていくこともできないので、可哀そうだけど、見て見ぬふりをしているという人がたくさんいます。
シェルターは、一般の人のイメージでは「猫を投げ入れていいところ」なんです。無償で世話してくれるというイメージがしまっているから危険だと思っています。
カフェの場合、飲食費や入場料というのが消費者に対してわかりやすいじゃないですか。お金を払う仕組みを作りやすいですよね。
保護猫カフェっていうのが全国津々浦々あるし、入場料を払って入るところというイメージもついてるから、活動資金の獲得にも繋がりやすい、その部分がいいと思っています。
活動を知ってもらえて、気軽に応援できる仕組みが広がってほしい
ーZENに登録したきっかけは何ですか?
森本さん
最初は、西条でアプリケーションを作り、市民団体のためになる活動をしていることを珍しく思い、新鮮さから気になっていました。仕組みに対しては、ふわっとしたイメージのままとりあえず登録してみようという感じでした。
ツバキさん
深くは考えてなかったと思いますね。私は忙しくて投稿をできないのですが、高校生のボランティアが代わりに活動の投稿をしてくれるという話で、それならと思って登録しました。
ーZENのいいと思うところはどんなところですか?
ツバキさん
資金がもらえることは、ありがたいですよね。
広報費と運営費、ホームページとかをZENで稼げたら嬉しいです。プラス、余裕があるなら医療費に回せたら、嬉しいです。
森本さん
手術費などの自腹で払っていた部分を、ZENで賄えるようになったらすごいですよね。
ZENのお金を1万円近くいただいていますが、1万円は大きいですね。ホームページの運営費は、計算したら300円ぐらいだったので、ZENのお金でホームページの運営費分は全然賄えていて、手術費にも使用できます。
「いいね」する側も用途が分かる方が、お互いにとって健全なのでちゃんと発信していきたいです。
気軽に団体を応援することができるツールの一つにZENがあって、その上で団体に寄付金がくる仕組みは応援する側からしてもやりやすいのかもしれません。これからZENの仕組みが広がってほしいですね。
さいごにーお話を聞いて感じたこと
私自身も保護猫活動に関心があったこともあり、実際に活動している団体の方々にお話を聞くことができて嬉しかったです。「出来る範囲で出来ること」の活動理念もそうですが、SNSの「いいね」や正しい飼育の方法を知るだけでもいいとおっしゃていて、とても意外でした。私は保護猫活動をすることに対して高いハードルを感じていたのですが、お話を聞いてまずは小さくでも保護猫活動に参加したいと思いました。
発信されている小さな応援も力になるという考え方はZENのアプリととても相性がいいと感じたので、ぜひ、たくさん投稿してほしいと思います。私はそれを「いいね」することを保護猫活動への小さな一歩にしたいです。