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ストレスと独り身とホテル暮らしとーセカンドシーズン【第12回・静岡県熱海《前編》】

 2022年6月13日の午前中、私は思った。

 ーーーー 海が見たい(2回目)ーーーー

 新幹線を使えば東京駅からわずか40分の超有名温泉街。私は交通費の節約の為、約3時間かけて駅のホームに降り立つ。

 『ラスカ熱海』が入った熱海駅。1階と2階のお土産売り場では、静岡の魅力的な名産品が数多く手に入る。3階は小規模なレストラン街で、海鮮・中華・パスタの店舗が並んでいる。

 駅前からの眺め。整然としながらも明らかな昭和の香りが端々に残っている。

 少し離れた所に見慣れたヤツの姿も。
東横イン:「待たせたな(ドヤぁ)」

 熱海観光系のメディアには必ず出てくるアーケードの商店街。政府が「コロナとかもういいから気楽に外出しろWWW」……って言い放ったもんだから、平日の午前中から観光客がやたら徘徊してる。

 迫り来る高齢者達、山積みにされたお土産、さあ、食べ歩くがイイと言わんばかりの店。正直、人混みは好きではないが、そんな雑踏だからこそ目にする面白い光景もあったりする(大学生が急に跳び土下座したり)。

 熱海の名物と言えば、鯵の開き金目鯛

 アーケード商店街の中に玄関口がある特殊なホテル。駅から非常に近く、お安く泊まれるらしいが、立地的に海の景色は楽しめそうにない。

 熱海の中心街である『熱海銀座』までは駅からバスも出ているが、私はひたすら徒歩。遠くから眺める熱海の街が実に綺麗で楽しそう。

 沖の方に見えるのは『初島』。熱海港から遊覧船で30分のリゾートアイランド。1周わずか4kmの島。年中花が咲き乱れ、『相模湾の真珠』と呼ばれる美しい自然と、縄文遺跡や伝説が残る神社などが点在。
 食堂街で獲れたての海の幸を使った丼ぶり、刺身、煮魚などの定食が愉しめる。

 小高い山の上に見えるのは『熱海城』。ホームページには【カップル・友人・家族、みーんなで楽しめる☆】……とある。つまり、単独野郎の私は楽しめないというのかね!?
 熱海城天守閣の建築様式は日本の築城建築が発展の頂点に達した桃山時代、慶長初期の様式にのっとり、外装5層、内部9階の高層建築で昭和34年に築城された。
 武家文化資料館や日本城郭資料館の階層は分かるが、地下1階に何故ゲーセンを? そして、3階は浮世絵・春画展(18歳未満の方は御遠慮ください)……なるほど、両親が大昔のエロ画像を愉しんでいる間、子供はゲーセンに預けておくというシステムか。納得。

 海岸沿いのトロピカルな木々と花々。青空と白い雲とのコントラストが美しい。
 急に現れた謎の彫像。
 大がかりな開発中の土地も有り。

 熱海で有名な花火大会。一年を通して思い出したように開催しており、そのタイミングで熱海のホテル・旅館の宿泊費が爆上がりする凶悪なイベント。
 熱海の隣の来宮神社は有名なパワースポットらしい。力こそパワーだ。
 そして……皆様ご存知、元祖DV。寛一の立ち小キックに対し、お宮はしゃがみ防御(失敗)。

 気温・湿度共に丁度良く、気持ちの良い風が吹く砂浜。海を背にして砂浜に立つと、熱海の街が一望出来てとても見晴らしが良い。

 『熱海ムーンテラス』。造形美に凝った造りの居心地の良い公園。すぐ隣には熱海港。初島への送迎を担う遊覧船が汽笛を鳴らして出入りしている。

 熱海駅から徒歩約25分。すぐ目の前が熱海港と相模湾という、熱海の街でも屈指の好立地。

本日の愛人『熱海玉の湯ホテル』である💔

 …………到着してすぐ、嫌な予感がしている私が居た。パッと見、少々古いタイプの外観だったが、玄関口の傍の安っぽい看板に赤字で「良いお部屋がございます」と書かれてる。推測するに、この看板脇の道を行く行きずりの車や徒歩の人々を獲得しようとする仕様……ではないのか? そして、『海底大浴場』という聞き慣れない単語……
 スゴクイヤナヨカンガスル。

 ランチだ。あたしゃ新鮮な魚介を所望するよ。食欲を満たそうとする私の前に出没する性欲の権化。熱海には昭和の名残が点在しているが、コレ等もまさにその一角。
 リゾートホテルのすぐ隣に『鎌倉御殿』。13人の泡姫が待ち受けてるに違いない。
 そして、『ヤングレディー』。うん、断言できる。絶対にヤングは出てこない。

 『熱海銀座』の所々に垣間見えるピンクな空気。老朽化しまくったビルがこの土地の風俗の歴史を物語っている。
 あっちこっちにスナック。温泉宿の宿泊客に酒を浴びせる為、バブル期には大層賑わったのだろう。

 『熱海銀座』の中心となる通り。有名な食堂やスイーツ店が軒を並べる。そんな中で昭和のピンク文化が生き残ってる。日が落ちれば錆びたシャッターが開くのだろうが、私は中に入れる程の強者ではない。

 気になる店を発見。『おさかな丼屋・ビストロ』。それ程広くはない店内には若年層の客が多め。沢山の酒瓶とグラスが並び、夜は居酒屋として賑わっていそうな雰囲気。

 注文したのはおさかな大定食¥2948。正直、ランチで払う額ではない。が、この刺身……鮭、鰹のタタキ、鮪の赤身、タコ、ひかりもの2種、どれもブ厚くて食べ応え抜群。時期的に天然物は脂の乗りが悪いが、十分に旨い。そして、鯵フライ。コレがまたデカイ。刺身にするサイズの鯵をフライにしているのだろう、サクサクのフワフワ⭐ スーパーの御惣菜コーナーに陳列された瘦せたのとは次元が違う。
 白飯・あら汁・ワカメの酢の物。店員さんに頼めば、白飯に特製の出し汁を小さなヤカンでかけてもらえる。コレがまた旨過ぎるッ!! 魚介の濃縮された濃厚な出汁、何か隠し味が使われているのだが、その隠し味で後口がとてもまろやか😋 
 実に満足のランチなのだが、店のコンセプトなのだろうか……客の入店や会計後、または特定のメニューを注文した時、厨房の中の人とウェイターが一斉に掛声を発するのだ。それがまた大声でパリピみたいな調子なもんで、正直なところ……鬱陶しい。

 では、今宵はここまで。
 後編に続くでよ。

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