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強迫症はつらいよ


「社長、スミマセン戻らせて下さい」
「ダメだ、戻らないで行けぇ」「申し訳ありません、ここだけなんとか」
「何やってるんだ、もうお前の車には乗らないからな」
「・・・(泣きながら戻る)」
またやってしまいました。

朝、仕事を手伝わせてもらっているところの社長が来て
「ほら、行くぞ!」と
私の車に乗り込みました。

一緒の車で現場に行くんですが
いつもより準備の
時間が無くて
そんな状況にすでにプレッシャーを感じつつ
さらに昨日
ひとりぼっちの家は
エアコンだけでは寒くてダメで
いよいよ
石油ファンヒーターを使い
今朝は
その電源コードが気になる状態に。

電源コードをコンセントから抜く
のだけはほとんどやったことが無かったのですが
とうとうやってしまいました

これやっちゃダメなのわかってたんですが。

さらにほかのコードも気になり
車に社長を待たせたまま
なかなか出発できずに
さらなるプレッシャーが
襲いかかり時間がどんどん経過していく。

妻が出て行ってしまってから
とにかく
強迫性障害の不安への耐性が
下がってしまい、とにかく大変です。

認知行動療法やカウンセリングで身につけたさまざまな技を使う間もなく強迫観念に襲われます。

コンセントや水道、トイレなど
今までなかった確認ポイントを何度も確認しているうちに
とうとう社長が車から降りてしまいました。
「先に行くからあとから来い」
と言うのをなんとかなだめて
無理やり出発。

で、その道の途中
社長に交差点の近くで
「そこ左!」と
言われて
いつもより確認が手薄、といっても私は戻るのがイヤなので常に普通の人よりは何倍、何十倍も緊張して安全確認してますが、自分なりには確認に納得できないまま
社長に
「今、大丈夫でしたよね」
と聞いて
「大丈夫だ」と言われて
心の中で「そうだ、大丈夫」と思いつつ
しばらく走るも
結局、冒頭のやり取りの末
戻ってしまいました。

私は調子が良ければ
ひとりで一度も戻らず遠くに行くこともできます。

しかし余計なプレッシャーやストレスは大敵で難易度が上ってしまうんです。

今、すでに最悪の状態で生きているのでなおさらです。

それにこれが問題なんですが、私の運転の仕方には
強迫性障害をしっかり叩き潰すにはまだまだ問題があります。

先ほどの記述をよく見ると
わかります。
「いつもより確認が手薄、といっても私は戻るのがイヤなので常に普通の人よりは何倍、何十倍も緊張して安全確認してますが」
一見これって安全運転で良い、
と思いますよね。
でも戻るのがイヤなので過剰に
必要以上に
確認しているわけです。
これって強迫行為なんですね。
戻るのももちろん強迫行為ですが、過剰な確認も立派な強迫行為なるのです。
この場合は回避という強迫行為になります。

さらに
社長に大丈夫ですよね、と聞いたことも「確認行為」であり
「巻き込み」
という強迫行為です。

心の中で「そうだ、大丈夫」と思いつつ、って
これも厳密には
「打ち消し」という
強迫行為になります。

回避
巻き込み
打ち消しについては
もちろんやらないに越したことはないんですが
ときには
さらっと使うことで
さっと強迫観念を消すことができる場合があるんです。

実際に
戻ったり
手を洗ったり
服を着替えたり
するよりは
ぜんぜん時間やエネルギーの損失が減るので治療のためだけに生きていけるわけもなく生活していく
ためには
一概にダメとは言えないのかも知れません。

スッキリ治したいなら、止めなければならず
難しいところです。

では
今日のような状況でどうすれば
良かったのでしょうか。

まず
左折を指示された段階で
一般的な安全確認はできていたのですから、戻る必要は無い。
これだけです。

強迫性障害でも
不安な気がするをだけで
正常な判断はできるので
もし、何かあれば
絶対にわかります。

同乗者に聞かず
大丈夫と言い聞かせず
戻らない。

もっと効果的なのは
不安を消さないで
そのままにしておく。
これがとても効果的なんです。

その間ににも
どんどん
強迫観念が出てきます。

「本当に大丈夫か?」
「バイクがいたかも」
「社長がいると戻れないぞ」
はじめは囁き程度でも
相手にすると一気に大きくなるので基本は
そのままにしておくです。

不安は
時間が経過すると
必ず小さくなる、という
鉄則があるので
いずれ気にならなくなるのですから。

わかってるんですけどね。

ま、こんな日もあるさ。







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